第1話 霊媒師

「あー、今日もだ。」

そんなことを思いながらいつも通り登校する...つもりだった。


「ゔぁ...」


路地を歩いていたその時、現れたのは全身が青く、ピンク色のでかい角をもつ水牛の化け物。俺は思わず腰を抜かして後ずさりをする。

今まで視えてはいたが、いかにも人を襲いそうなやつには遭ったことがなかった。


「ひ、ひぇ...やめっ!」


「ゔぉぁ!」


雄叫びを上げながら電柱よりも太く大きな腕で殴りかかってくる。

15歳にして死期を悟り、目を瞑ったその瞬間!…


「禊、禊、おくにな おくにな大丈夫かい?少年!、□...!」


謎の呪文を唱えながら美しい青年が化け物に向かって飛び出した。


「ちょっ!君!…」


突然のことだが、声を上げて青年に注意を呼びかける。

だがその瞬間、青年の両手には炎が宿っていた。


ジュボッ!


大きな火焔かえんの音が鳴り響くと、瞬く間に青い化け物が燃え散っていく。

やがて青い粉になって、風に飛ばされていった。

突然のことに驚いて青年に目を向けると、


「やっと見つけたよ..."能力者"、」


何かが始まる予感がした。

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