日記1

 その日降っていた雪を、いちいち数える私がいた。


「133粒…………」


 踏切のカン、という音が鳴った瞬間、私の意識は遠ざかった——。


 ハッ

 何これ? どこにいるの?

 雪、もう千粒超えたかな?


——超えただろうな。


 私の脳内では、現状を理解しようとしているのに、どこかの私は、それを拒むようだった。朝5時に外に出たのに、今いるのはもう昼下がりのカフェだった。


「起きたのですね」


 声がした方を目で追う。そこにいたのは……。

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雪降る夜に、私たちは出会った。 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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