第17話 新年の初詣

新しい年を迎えて、数日……


「…まだ、正月だし、近所の神社、混んでいるかもしれないけど……『初詣』にでも行ってこようかな…?」


家から歩いて数十分。近所の神社に到着。三が日は過ぎているものの、相変わらず、初詣に訪れた参拝客で境内は、混雑している。


「…神社の中は参拝客で混んでいるし、手短に参拝と毎年恒例のおみくじを引いて、さっさと帰ることにするかな……」

神社で、お参りを終えたそのとき、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。


「…おーい!神崎さーん!もしかして、神崎さんも『初詣』に来てたの?」


「あっ、小高くん。そうだよ。ひとりで『初詣』に来てた。やっぱり、お正月だから混んでいるね…!」


「神崎さんって、もう『おみくじ』引いちゃった?まだだったら、一緒に引かない?」


「まだ、引いてないよ!小高くん、一緒に引くか、おみくじ!」


小高くんと一緒におみくじが入っている箱の前に立つ。

ふたりの引いたおみくじの結果は……


小高くんが引いたのは「小吉」、私(神崎)は「大吉」だった。


「えっ!?神崎さん、大吉じゃん!神崎さんの今年1年はいい年になるかもしれないね!…ちなみに、ぼくは「小吉」だったよ。まあ、良くも悪くも「普通の1年」になりますよってことかな?」


神社の出店で甘酒をもらい、凍えた手を温める。

この神社の裏には、静かな小道があり、その小道をカップルとかが歩くと幸せになるらしい。まあ、ウワサ話なので、細かいことは分からないけど…ちょっと興味本位で歩く。


その小道を歩いていると、小高くんが一言つぶやく。

「もしかして、今年最初に誰かと話したの、神崎さんかもしれない…!」

小高くんの何気ない一言が、私にはなんだか特別に感じてしまった。


そして、初詣からの帰り際。


「新年最初に神崎さんと会えて、嬉しかったよ!学校始まったら、お正月どう過ごしていたか、教えてね!」


小高くんと私はグータッチを交わして、お互い家路についた。

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