第16話 クリスマスパーティー

12月の下旬。要するに世間は今「クリスマス」シーズンの真っ只中。


先生の粋なはからいで、教室を「クリスマスパーティー」での使用が許可された。

――それは、の要望が先生にあった……らしい。細かいことは知らないけど…。


――そして、クリスマスパーティーの当日(25日)。

サンタ服とトナカイの着ぐるみに身を纏った、他のクラスメイトが教室に入ってきて、

「メリークリスマス!」

と元気な声でクリスマスの挨拶。


クリスマスパーティーの会場である教室を改めて見回すと、装飾されたクリスマスツリーが飾られていたり、教室には「サンタさんとみんな」とのタイトルで黒板アートが描かれていた。


机の上には、お菓子やジュースも置いてあり、その横にはメモ(というか手紙?)が一緒に添えられていた。

「皆さんが、クリスマスパーティーをやるということで、お菓子やジュースを用意しちゃいました(^^)!良かったらみんなで食べて、クリスマスパーティーを楽しんでね! 通りすがりの先生より」


この「」というのが、匿名なので、どの先生なのかは分からないけど、数多くのお菓子やジュースを用意していただきありがとうございます!


「あっ、神崎さんもクリパ(クリスマスパーティー)に来ていたんだね!メリークリスマス!いやぁ、楽しいね、クリスマスパーティーって!」


「あ…小高くん、メ、メリークリスマス……!」


この、クリスマスパーティー。私は、誰が「主催者」なのかは知らない。けれど、パーティーの司会進行を務めているのが、小高くんら男子生徒だったことと、やたらハイテンションの小高くんの様子などを見て、確信した。


「クリスマスパーティーの主催者、絶対小高くんだ……!強引にパーティーを盛り上げている感じ…おそらく言いだしっぺだ…!」


ちなみに、当の本人の小高くんは相変わらず、クラスメイトとケーキやチキンを食べながら談笑中。


「コラッ!小高、溢し過ぎ!お前は赤ちゃんか…!ベチッ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る