第4話 トラブル発生で、小高くんの家へ
学校からの帰り道にちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまった。それは…
「架線付着物により運転見合わせ」
私、神崎遥香の家方面は架線付着物(おそらくビニール袋が架線ににより運転を見合わせているが、小高くんの家方面はこの新黒須駅での折り返し運転で、遅れはあるけれど、電車は一応動いている。
「神崎さん。ずっと、この新黒須駅で待っているくらいなら、ウチの家に来ない?この運転見合わせ、再開するまで時間が掛かりそうだし…」
電車の運行状況を知らせる新黒須駅の電光掲示板を見て、小高くんがそうつぶやく。
「いいの…?いきなりじゃ、流石におウチの方に迷惑が掛かっちゃうのでは?」
と心配するも
「全然、迷惑じゃないよ?神崎さん!むしろね、ウチの家族全員、大歓迎だと思うよ!神崎さんが言うなら、一応連絡してみるけど…」
「もしもし、母さん?これから、友達を連れて行っても大丈夫?…うん、うんはーい!ありがとうね母さん!」
小高くん、電話を終えるとすぐさま、指で丸を作りOKのサイン。許可が下りたっぽい。
ま、まあ、小高くんや小高くんの家族が良い(らしい)と言うなら、このお誘いを断る理由もないし、運転を見合わせている電車がいつ頃復旧するかも分からないので、お言葉に甘える形でそのまま小高くんの家へ向かうことになった。
「たっだいま~!帰ったよ~!あっ!紹介するね?コチラ、僕と同じクラスの神崎遥香さん!」
「ど、どうも…お邪魔します、神崎遥香です…」
小高家全員から注目されたことと、慣れない他人の家ということもあって、緊張して心臓はバクバク。
「神崎さん、悪いね!今、こういうのしか出せなくて、本当にごめんなさいね!」
そう言って、小高くんのお母さんが出してくれたのは「緑茶と羊羹」の和菓子セット。
「そろそろ、姉ちゃん帰って来ると思うから、また改めて姉ちゃんに遥香さんを紹介していい?」
小高くんに、お姉さんが居たんだ。お姉さんの話を聞いたことがなかったから、兄弟・姉妹は居ないものだと勝手に思っていた…
小高くん両親の身長は平均的だったし、お姉さんも、同じくらい身長なのかな?それとも、小高くんと同じく低い…?
そう思いながら、小高くんのお母さんから頂いた「緑茶と羊羹」のセットを小高くんの部屋で一緒に食べながら、小高くんのお姉さんの帰りを待つ。
――数十分後…
「(バアァーン!)ただいまぁー!誠人っ!お友達を家に連れてきたって本当か!?」
小高くんのお姉さんらしき人が、部屋に入ってくるなり、興奮気味で小高くんに確認をする。
「姉ちゃん、まず一回落ち着こうか。…ではでは、紹介するね。この方が同じクラスの神崎遥香さんです!」
この人が小高くんのお姉さん…!私と同じくらい背が高い!
「は、はじめまして…誠人さんと同じクラスの、神崎遥香と申します…」
「どうもどうも。ご丁寧に!改めて、誠人の姉の
その後、お姉さんから「誠人は学校でちゃんと真面目に授業を受けているのか?」や「他の友だち(クラスメイト等)とふざけ合って迷惑を掛けていたりしていないか?」などといった質問攻めに遭ってしまった。
なお、電車は夜の9時過ぎにようやく運転を再開し、自分の家に無事に帰ることができた。
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