第3話 小高くんと手を繋ごう!
小高くんといつものように、学校から新黒須駅まで一緒に帰っているが、未だに先生や他の生徒たちには一緒に新黒須駅まで歩いて帰っていること自体を気づかれていない。
…が、近所の人には、小高くんと私の身長差から「かわいい姉弟・親子」として勘違いされ、新黒須駅前通り商店街を通る度に毎回、お店の方々から「アメ玉」とかを頂く。なんだかちょっと、商店街の人たちを騙しているような気持ちで申し訳ない。
「神崎さーん、今日も一緒に帰るよーん♪」
今日も一緒に帰るけど、小高くんのテンションがいつもに増して高い。スキップしながら、愉快に鼻歌を歌っているし。なにか良いこと・楽しかったことでもあったのだろうか?
「お、小高くん、なんだか今日はテンション高いね!良いことでもあった?」
「神崎さん、実はね?学校の茶室で、茶葉を急須に入れて、飲んでいたら!な、なんと!茶柱が立ったの!今日はいいことあるかも!」
まあ、茶柱が立つことは確かにレアではあるから、小高くんが興奮気味に話すのも、無理はない。私も家で「茶柱立つか?チャレンジ」を何度か挑戦したことがあるが、成功したのは2~3度くらいだったし。珍しいといえば珍しい現象。
「ってか、小高くん「茶道部所属」じゃないよね?」
「ベ、別にいいでしょ?茶道部の先生と部員の人たちから「お茶を飲みに茶室に来るだけでもいいよ!」って許可もらっているんだから!神崎さん…早く、一緒に帰るよ!」
指摘したことで、ご機嫌ナナメになってしまった小高くんであった。
…小高くんは、抹茶が好きなのか…φ(._.)メモメモ
「ねえねえ?神崎さん!たまには、気分転換に手を繋いで新黒須駅まで帰らない?」
小高くんの提案により、手を繋いで新黒須駅まで歩いて帰ることに。
「小高くんの手、温かいね!ずっと握っていたいかも!」
そう言うと、小高くんは明らかに照れたような顔をして
「え?そーかな?ありがとう!」
と満更でもない様子。本当になんか小高くんが小っちゃい「小学生」に見えてかわいくて、なんか尊い。
小高くんと新黒須駅まで、一緒に手を繋いで帰り、駅の改札で「また、明日学校でね!バイバイ(。・_・。)ノ」と言って別れ、それぞれのホームへ向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます