第3話 コミュ症は急に話せない

「カフェさん、聞こえてますか?」

「は、はい!聞こえてるっす!」


いきなり活動名で呼ばれるのは、なれないなー。


「それでは全員揃ったようなので2期生顔合わせを始めたいと思います」

「「「「お願いしまーす」」」」

「お、お願いしますっす」


説明には聞いてたけど、女の人がぼくいれて4人で、男の人は1人の計5人が2期生らしい。

みんな声可愛いし、かっこいいな。


「じゃあそれぞれ自己紹介よろしくお願いします、ではまず春ヶ坂さんから順番にお願いします」


春ヶ坂さんからってことは、ぼくはいちばん最後か。最初じゃなくてよかった〜。


「はい、春ヶ坂さくらって言います。好きなことは、料理とか歌うことです。よろしくお願いします」

「黒羽カイだ、好きなことはギター弾くこと。よろしく」

「緑川いつき!よろしく!好きなことは動物を育てること!みんないっぱいコラボしようね!!」

「霧狼シュナ、好きなことはゲームよろしく」


とうとうぼくの番が回ってきた。もうやるしかない!


「ね、猫ノ宮カフェっす。す、好きなことは絵を描くこととか--。よろしくお願いしゅるっす」

 

......か、噛んだ〜!!

恥ずかしすぎて死にそう!もう今すぐ退出したいんだけど!!

しばらく沈黙が続いたが、その空気を壊したのはシュナさんだった。


「可愛い」

「へ?」


ポツリとこぼしたたった3文字で冷たかった空気が温かくなった。


「確かに可愛い!」

「可愛すぎて言葉も出なかったわ」


みんなが噛んだことをフォローしてくれてる、優しい。


その後、配信のルール事項だったり、衣装について色々教えてもらい、連絡は一区切りついた。


「では、諸々の連絡も終わりましたし、もう明日には皆さん初配信となりますので、各々準備をしてください。何かあれば、私に連絡していただけたら答えますので何かあれば。それでは退出していただいても構いません」

「「「「「お疲れ様でしたー」」」」」


そういうと続々と退出して行った。もちろん、ぼくもすぐに退出した。


「ふぅー疲れた。明日は初配信か......色々と確認するか」


まず私の猫ノ宮カフェの設定は、小さな喫茶店でアルバイトをしていて、制服姿のカフェは普段より少ししっかりして見えるけど、注文を間違えたりお客さんに話しかけるのに緊張してモジモジしてしまうことも多い。

お客さんから「ありがとう」と言われると、尻尾をふりふりして嬉しそうに小さく「どういたしましてっす…!」と答える姿が可愛い。常連さんからは密かに「癒し系店員」として人気で、喫茶店で働いている時のカフェを見たいがために通うお客さんもいるとか。


なんすか、これ。ちょっと恥ずかしいな。

まぁでも実際に喫茶店で働いてるし、間違えでもないからな......。


まず配信内容としては、自己紹介をしてから、イラスト描くのが好きだから、今まで描いた作品を見せるのと、実際にその場で描く、とかかな。


それにしても他のメンバーもクセが強そうではあったけど、みんな優しかったから、これからなんとかなりそうだな。


ちなみに初配信の順番は、話し合いによりいちばん最初になりました。


はぁっ!?



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