第13話

そして、数日後、新庄さんのお許しが出て

晴れて今日から会社に行く。


本当はまだ少し怖い。

新庄さんが居る限り

同じ目に合うとは思わないけれど、

俺がどうやって契約をして来たのか

知ってる奴がほとんどだと思うから

みんなにどんな目で見られるのかが

怖いんだ。


気分が下がっているのに気づいたのか

鼻をデコピンされる。


「っいで。何すんだよ。」


「辛気臭い顔してっから、喝を入れてやったんだろ?」


と新庄さんとはタメ口で話すまでに仲良くなっていた。


でも、今日からは上司と部下。

ある程度は

節度を持ってやって行こうと思った俺は


新庄さんに向き合う。


「新庄さん。これからよろしくお願いします。」


そう言って頭を下げると


「おう。こちらこそよろしくな。」と言って


変わらずに頭を撫でられる。

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