能力なしで異世界を生き抜きます！！

第1話 この世界

二千x年。人間は死後、異世界に転生するということが当たり前になってきた。

『死後の世界なんてどうやって調べるの？』と、思うかもしれないが、そんなの僕にもわからない。その辺の偉い学者の人がなんかすごい研究でもしたのだろう。

また、前世での行いが異世界の自分のステータスに反映されることもわかっていた。以下省略

まあとにかく転生する。

そのため、人々はいわばセカンドライフを満喫すべく今を生きているのだ。なんだか試験前の学生みたいだね。

この研究結果が世間に発表されててから、最初の方こそ、研究者が狂ったとぞと言われていたが、電波信号やその他諸々の進歩により段々と信憑性を帯びてきて、マスコミが大々的に報道したことにより今では世界的にも常識になったって訳だ。

それからというもの、人間の欲望というのは凄まじく、世界中の犯罪件数はほぼ0に等しいほど減少し、学校や会社では、いじめや嫌がらせという概念ごと消え去った。

そして、僕、新井和樹は今まさにこの世界を飛び立とうとしている。原因は寝ぼけて頭を強打し、救急車に運ばれているのだが、どの病院もうちに来て欲しいと引っ張りだこ状態。

病院A「うちは定価の50%OFFで対応しますよ」

病院B「ならうちは無償にしますよ！」

病院C「それならこちらは10万円差し上げます！！」

病院A「ならこっちは20万！」

いわばマグロの競り落としだ。段々と意識が遠のいていく。もう何を言ってるかもわからない。こんな死に方、あり、か、、よぉ。