先輩ヒロインとは

雪だるま

第1話

「あなたが好きです。付き合ってください。」


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ある日突然俺はゲームのモブに転生していることに気づいた。別に前世で死んだ記憶もないため、何故転生しているのかわからないが、とにかく俺は乙女ゲームの世界に転生していたのだ。


「君が乙女を知る理由」通称「きみおと」このゲームは、俺が前世で手をつけた最初で最後のギャルゲーである。会社の同僚に勧められて始めたゲームであり、それまでゲームをしなかった俺は「同僚との会話が弾んだらいいな」という軽い気持ちで始めた。


このゲームは少し変わっているギャルゲーで、登場するヒロインは、先輩ヒロインと幼馴染ヒロインの2人しかいないのだった。


しかし、多くのルートは先輩ヒロインと付き合うことになるのだ。その理由は幼馴染は一緒にいる時間が長過ぎて恋心まで発展しないという、幼馴染ゆえの少し不憫な理由だった。

それでも幼馴染ヒロインはなんとか主人公を惚れさせようと振られた後も主人公が先輩ヒロインと付き合うまでは努力していた。


幼馴染ヒロインが主人公と付き合うことができるルートは、告白に成功するルートで2つ、失敗した後のルートで一つの合計3つのルートだったと思う。


幼馴染ルートが3つ程なのに対して、先輩ヒロインと付き合うことになるルートは二桁を超えていた。

幼馴染ルートに入ろうとしても、いつの間にか先輩ルートになっているのだ。


特に、告白に失敗した後のルートに行くのが難しかった。俺もこのルートに辿り着いた時は、声が出そうになる程喜んだものだ。


当然このギャルゲーのレビューでは、色々と言われていた。

・こんなのギャルゲーじゃない

・幼馴染ルートに行けない

・思い通りに動けよ主人公

・胸糞悪りぃよーこの作品

・やらなきゃよかった

などきつめの評価をもらっていた。まぁ最後の言葉に関しては別の意味で言われているのだが。


俺個人的な意見をいえば

・ルートを探すのが大変だった。

・キャラの外見はとても好み。

・胸糞悪りぃよーこの作品

・やらなきゃよかった

というような評価であろう。


まぁそんなわけで「きみおと」に転生していた俺だが、実はこの俺(峰岸和志、みねぎしかずし)は、現在高校2年生である。そう2年生だ。俺は件の先輩ヒロインの同級生だった。

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先輩ヒロインとは 雪だるま @yukidaruma091111

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