紫髪のホムンクルス

 彼女は言葉を発さない。


 朝起きると、彼女は自身の夢と共にあなたの側で添い寝していた。


 彼女の夢、虹の円環。

 天空に円を描く虹。虹に染まる空。


 彼女の夢は、それをその目で見る事。

 彼女の腕の中で、彼女の選んだプレゼントがある。


 あなたへと書かれたプレゼントを開けたあなたが見た物は、虹色のブレスレット。

 赤、青、緑、橙、黄、藍、紫の七色のビーズで作られたブレスレットだ。


 いつか、本物を見に行こう。

 いつか、本物を見つけ出そう。

 言葉を発しない彼女からの、応援と励まし、そしてこれからも一緒にいて欲しいというメッセージ。


 今日は晴れか、曇りか、雨か、それとも雪か。

 いずれにせよ、虹が出たなら嬉しいな。


 もし虹が出たのなら、指を差して言おう。

 いつかあれが円になった時、あなたと彼女の縁もまた、永遠であったのだと言う事を。


 いつまで続く? いつまで続けられる?

 わからないけれど、彼女はあなたとなら何処までも歩む。

 誰よりも小さいホムンクルスのプレゼントは、大好きなあなたと共に、大好きな夢を追いかけたいというメッセージ。


 あなたは彼女と一緒に、歩んでくれるか。

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