赤髪のホムンクルス
「あぁ、いたいた。はいこれ」
「じゃ……何よ、まだ何か? これは何かって? プレゼントよプレゼント。今日はクリスマスでしょう? 親しい間柄にはプレゼントを贈り合う……それだけの日じゃない。まぁ、あの外道に言わせれば、神の子の生誕とか色々聞けるでしょうけど、あたし、そういうの興味ないから」
「あら、残念がってるの? 悪かったわね、こんなあっさりしてて。でも、こんなもんじゃない? 今日という日にクリスマスって名前が付いてるだけで、あたしからしてみれば今日も明日も昨日も特に変わらないわ。だって、あたしがあなたを思う気持ちは、いつだって変わらないもの」
「クリスマスだから特別に思う訳じゃない。クリスマスだろうとなかろうと、誰かが死のうと生き延びようと、関係ない。その日が何処かの誰かの特別だとしても、あたしにとっては不変の日。変わらずあなたを愛しているわと、言ってあげるだけ。わかったら、そんな残念そうな顔しないで頂戴。ちゃんと、心は籠ってるわ」
「え? まだ何か? あぁ、それの中身? ……開けてみなさい」
「あたしも一応、精霊の血を引いてるからね。だから、精霊族に伝わる護符を作ってみたの。六芒星の護符は魔除けの印。予期せぬ窮地から救いを得られる救済の印。さっきは神の子も何も関係ないなんて言ったけれど、神の子がもしも気紛れだったなら、きっとあなたを助けてくれるわ。まぁそんな奴に期待しなくても? あたしが必要な時に助けてあげるけど、ただ、あたしだっていつも隣にいる訳じゃないから……だからもしも窮地に陥ったなら、不安に駆られそうになったのなら、この護符を思い出して祈りなさい。あなたを思う心が、想う人が、いるのだという事を。絶望する必要なんて、初めから無いんだって事を、ね」
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