古代最強魔術師が未来でリベンジする話

@hardysmith

第1話 魔法が現代に存在しない理由

 遠い昔の日本では、21世紀を生きる私たちの知らない歴史があった。     そこには、魔法が存在したのだ。その時代に魔法を使う者は、魔術師と呼ばれ、主にいくさにおいて活躍していた。

 

 そんな魔術師の中で、最強の名を欲しいままにしていた青年がいた。その青年は あることが原因で、嶺国れいこくぬしから姫の護衛ごえいを任された。それから2人は、多くの時間を一緒に過ごしていた、そんな時だった・・・・・

 

 突如として、嶺国と同盟関係にあった国々が、裏切り攻め上がって来たのだ。嶺国は、裏切られた国々に負け、嶺国の村々は、火の海に包まれた。

 


「おらは、魔術が使えないんだ。どうか、おらだけでも救ってく・・・・・・」


 


「助けてください。この子はまだ赤ん坊なんです。どうか、この子だけでも助けてく


 ださい。お願いしま・・・・ 」

 

  


「おぎゃ〜〜〜おぎゃ〜〜〜おぎゃ〜〜〜〜おぎゃ〜〜おぎ・・・・・・・・ 」




「誰か、わしを助け・・・・・ 」




 返り血をまとった武具を着た兵士たちが、


 


「どこにいるんだ。嶺国の姫は、そっちにいたか」


 


「いねえよ。どっかの平民に混じってて誰かが、っちまったんじゃないか」


 


「そんなわけないだろ。日本一の美女とも言われる女だぞ。とっとと見つけろ」


  

 

 まさに地獄絵図と化す中、青年と姫は、なんとかして嶺国から逃れるために馬を走らせていた。




せい。戻ろうぞ。らわの民たちが、殺されておるのだぞ。お前の力なら民を助けることができるだろ」




「・・・・・・・・・・ 」




「聞いておるのか。無視するでない」




「・・・・・・・・・・ 」

 


 王女は何度も何度も大きな声で、泣きながら、質問を投げかけたが、政は無視するばかりだった。そして、政は一滴の涙を流しこう言った。



 

「                     」




 王女は、それを聞き黙り込むと同時に、大粒の涙を流した。


 


 ◆            




 2人は、やっとの思いで、嶺国を脱出し、暗闇が長く続く洞窟の中で休んでいた。




「そう言えば、今は桜が見頃を迎える季節だったな、政? 」




「・・・・・・・・・・」




「我らわは小さい頃に見たきりだなぁ。お前と一緒に見てみたかったなぁ 」




「・・・・・・・・」




 政はずっと下を向いたまま無言だった。姫が自分のために元気なふりをしていることは、わかっていた。しかし、声を出すことはできなかった。その様子を察した姫は、何を思ったのかいつもの刺々とげとげしい声とは違う優しげな声で、こう言った。



「政、我らわと初めて会った時のことを覚えておるか? ずっとお前は、無口で我らわが話しかけても「御意ぎょい」の一言だけでつまらん人間だと思っとった。だがなぁ、政は、いつも我らわが悲しい時や、辛い時にはずっと我らわの傍にいてくれた。流石の我らわとて、心動かぬということは、なかったのだぞ」




 その話を聞き、政は顔を上げると、

















 そこには頬を赤らめている姫がいた。




「政。我らわは、其方そなたのことを日本一、恋焦こいこがれておるおなごぞ」




 政はそれを聞き大粒の涙を流しながら土下座した。




「申し訳ございません。姫様、姫様、姫様、姫様」




 その後2人は、短刀を持っち自決した。そして、2人のいた洞窟から謎の白い光が、空高く噴き出し、その光は、日本全土に降り注ぎ、それを浴びた魔術師たちは、ただの人へと成り果ててしまったのだった。

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