第2話 必ずこうなる

「……」

「…柔らかい」

「小さいけどね」

「そういう意味じゃない。」

「わかってるよ。」

「俺、お前のパーツ全部好きだよ?」

「知ってる」


「……夢じゃないよな。」


ベットの中で彼女を包み込んで彼女の頬をつねった。


「普通逆でしょ」


当然つねり返される。


「いだい。」

「あたしも痛かった。」


「ごめん。」


謝りながら彼女の頬を撫でると彼女は微笑んだ。


「わかってると思うけど、あたしはあんたがいいんだよ?」

「分かってる。」



――――――――――――――――――。


「侑くん、侑くん、」


遠くから声がして、

目を開けると、沙耶が僕を呼んでいた。



「…さあや」


何も言わなくても沙耶は僕の寝起きに必ず傍に来てくれる。


「おはよ。ごはんできたよ。たべよ?」

「…さあや、ごめん」

「なんで謝ってんの?」


「……」


無言で沙耶の手首を取ると、

沙耶はベットの中へ入ってきてくれた。


「…これなんだよ。俺はね、これがいいの、ほかの人じゃないんだよ。」

「なんの夢見たの?」

「咲みたいな人といる夢。けど、もう何かが違ってて…。でも本当はそうじゃなくて…」


「思い出してみて?あたしとあんたはどうやって出会った?」

「…アプリ。」

「そうだけど、そうじゃなくて、2回目もあたしだって分かってて来たんでしょ?」

「うん、確信はあった。」


「初めてあった日のナポリタンの味覚えてる?」

「覚えてる。」

「駅前の喫茶店のね。」

「また食べに行こ?」

「そうだね。…あたしはあの時からずっと待ってたんだよ。こうなるの。回り道するけど、必ずこうなるって思ってた。」



――――――――――――。


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