これは絶対!

もちっぱち

やっとできた

12月某日

 例年ならば今頃、どっさりと路面に雪が降り積もり、雪かきに追われている日々だった。


「雪、今年は降らないね。寒いけど」

「降らない方がいいでしょう。ちょっと窓閉めて」


 外を見る結子は、雪が好きだった。毎年、降り積もった雪で、雪だるまを作るのが欠かせない。


「俺は寒からやだ。家でのんびりゲームで間に合ってます!」


 柊二は寒がりでこたつの中にもぐっていく。


「早く降って欲しい」


 結衣は窓を閉めた。


ーー翌日


 朝起きて、ストーブのボタンをつけると窓の外が白い粉雪でいっぱいになっていた。


「やったー! 雪だ」


 喜ぶ結子は、ダウンジャケットと手袋をつけて防寒し、急いで外に出た。柊二は、こたつにもぐってあたたまっているだろうと思った結子は、外を見て目を見開き、口角を上げた。どんぶくを着て、必死にかき集めた雪を手袋もつけない手でかためて、重ねていた。拾った小枝が手に、落ち葉で目と鼻、口を作っている。


「よし。できた!!」

「寒いのやだって言ったくせに」

「お? ああ、そりゃね。やだよ。結子の気持ちがホクホクじゃないとね。はい、どうぞ」


 柊二は赤くなった両手で結子に手渡した。可愛い雪だるまの完成だ。

 白い花のように粉雪が降り積もる中、結子は顔を真っ赤にさせて喜んだ。


 鼻をこする柊二は、ひとつくしゃみをしてアパートの部屋の中に入っていった。

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