第3話 小さな一歩からの改善

糖尿病と向き合うと決めた私は、まず「できること」を探すことから始めた。無理をすれば続かないとわかっていたから、ほんの小さな一歩を積み重ねることにした。


最初に取り組んだのは、運動だった。激しい運動はできないので、毎朝10分のウォーキングから始めた。最初は億劫で、足が重く、すぐにやめたくなった。それでも「今日は10分だけ」と決め、少しずつ時間を延ばしていった。歩くことで心が少し軽くなるのを感じたのは、続けて2週間ほど経ってからだった。


次に取り組んだのは、食事の見直しだ。過食が習慣化していた私にとって、急な変化はストレスになると感じていたので、まずは「少しだけ量を減らす」ということを目標にした。毎食ごとに一口減らし、次第に野菜を増やしていった。医師や栄養士に相談しながら、自分に合った方法を探る中で、「食べ過ぎない」ことが少しずつ習慣化していった。


さらに、免疫のケアにも目を向けるようになった。適度な睡眠と休息を心がけ、ストレスを少しでも軽減するために、趣味に時間を割くようにした。読書や音楽に触れることで、気持ちが落ち着き、自己管理がしやすくなった。


その結果、通院の際に医師から「数値が改善している」と言われたとき、私は心から嬉しかった。糖尿病が完治するわけではない。それでも、通院だけで生活を送れるようになり、入院の必要がなくなったという現実は、私にとって大きな励みになった。


現在も、糖尿病との付き合いは続いている。時には不安になることもあるが、少しずつでも進むことで「自分を変えられる」という実感が持てた。小さな一歩が、今の私を作った。これからも、その一歩を続けていこうと思う。


この経験が、同じように苦しんでいる誰かに届き、希望のきっかけになれば嬉しい。それが、このエッセイを書いた理由だ。

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私は、鬱病からの糖尿病に 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

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