第2話 あの日の空
真紀が「こっころ〜♪どうしたの?こんな所で」と心に声を掛けた。
心が「真紀、今日泊まらせて欲しい」と真紀に頼んだ。
真紀は「良いよ。何かあったの?」とこっそり訊ねると、心が「あのね?
私のお父さんがいつも、母親の仏壇でお酒を嗜んでいるんだ」と真紀に話を始めた。
真紀が「それって、お父さん、お母さんが居なくなって寂しかったのかな?」と心に聞いた。
心が「そんなの知らない。真紀だって母親居るでしょう?」と真紀に尋ねた。
真紀が「そりゃ、居るけどさ。私のお母さんいつもパートで出掛けているから居ないのよ」と心に返事を返した。
心が「良いじゃない。まだ生きているんだから。私のお母さんは、病気で亡くなった。あれからお父さんが仏壇に話し掛けているの」と真紀に事情を話した。
真紀が「そう。それでお父さんがみすぼらしく感じて嫌だって言いたいの?」と心に声を掛けた。
心が「そうだよ。あんなお父さんは私も見たくないし、私が居ない時だって、仏壇の前で泣いていたりするの」と真紀に声を掛けた。
真紀が「仕方ないじゃない。お父さんだって愛する奥さんを亡くされて、それから、心を閉ざしそうになった時も寄り添って来たんだから」と心に話し掛けた。
心が「今日は良いから、家に泊まらせて」と真紀に言い寄って来た。
真紀が「わかりました。でも、ご飯は自分で準備してよ」と心に伝えた。
心が「大丈夫。私こう見えてお料理が好きだから」と自信満々に話をした。
真紀が「これ、使って」と家に帰ると、エプロンを心に渡した。
心が「じゃ、やりますよ」と気合をいれて腕まくりをした。
真紀が「これ、何?」と大きな皿に大きなチキンが載っていて、丸焦げの
スペアリブが出て来た。
心が「え?普通に美味しいスペアリブだよ」と真紀に驚いて料理の説明をした。
真紀が「これ、普通に食べられるの?あんまり期待していなかったけど、それ以下ね?」と苦笑いを浮かべた。
心が「うるさいな?食べたくなかったら、食べなくて良いんだよ」と真紀に返事を返した。
真紀が「良い。じゃ、食べるよ」と諦めて、外見は悪くても美味しいのかと思って食べた。
真紀は「苦い。これ、食べられないじゃん」と心の料理の腕前に散々呆れていた。
心が「え?じゃ、私が食べてみるよ」と大きな丸焦げのスペアリブを口に入れた。
心が「確かにまずいね?こんなの食べた気がしない」と思わずセリフが口から溢れた。
真紀が「でしょう?こんなのを食べた日には、不味くて食べられないよ。何か口直ししたいよね?」と何かを閃いた。
真紀がエプロンを取って「そうだ。ナポリタン作ろう」と思い付いたのだった。
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