第二章 ブラックナイトを受け継ぎし者

盗まれた鳳炎剣


第二章 ブラックナイトを受け継ぎし者


「鳳炎剣が盗まれた可能性があるじゃと!??」と、ブロニフラス町長がとある一室で小さく叫ぶ。

「これまた大変なことになった・・・・フラウ賢者の遺した伝説の剣が・・・!!」と、町長。

「はい」と、ニールセン。

「山賊がいたところを探し回って、まだ意識を取り戻してない山賊をどかしてしっかりと探したんですが、そのような剣は見当たりませんでした・・・」と、ニールセン。

「誰かが盗んだに違いない。すみれ姫は、あの剣を使ったようだし、おそらくどうせあの剣を売り物にしようと持ち去ったのであろう」と、町長。

「はて、あなた方がすみれ姫ことハザリーを救ってくださったようだが、あなた方は何者でいらっしゃるのです?賢者様と名乗っておられましたが・・・・」

「俺はニールセン、ニールセン・オブラン、460歳の賢者です、先ほども申し上げましたが。もう一人の青年は、俺が旅の途中見つけた、ハシントのある町出身の23歳、カレルという腕の立つ魔法剣士です。わけあって、カレルと俺は一緒に旅をすることになりました。カレルはハザリーさんの近くにいるようだが、俺にも会わせてください。伝説の剣・鳳炎剣について、神々に聞いてみましょうか?俺なら賢者だから、聞けますし、力になれます」と、ニール。


 その頃、治療を受け終わって、町長の広い家の一室に寝かされているハザリーを見て、カレルは不思議な思いでいた。

(この嬢ちゃん、身寄りがない、って町長が言ってたが、俺と似てるな・・・・)と、カレルはふと思った。

 カレルはハシントの国で、魔法使いの家系に生まれた。ハシントの独特な魔術だ。

 カレルは飲みこみが早かった。だが、彼は魔法使いというより、魔法剣士の道を選んだ。剣術は、今は亡き父に習った。魔法は母から習った。

 カレルは年上の一般人より強いぐらい、めきめきと頭角を現した。剣術の才能はいい意味で未知の領域、とみんな言っていた。

 まず、カレルの父が亡くなった。トリステスという呪いのせいだという。カレルの祖父が、カレルに魔術を移す儀式をして、犠牲になって亡くなった。次に、カレルの母も、カレルが16の時、トリステスで亡くなった。この時は、カレルの父のかつての知り合いが、命を犠牲にして、カレルに魔術を授け、亡くなった。どれも禁術なのだ。

 母が亡くなった、カレルにとっては地獄だった夜、その人は現れた。ニールセンという、賢者が現れた。

「私と来て、仕事を手伝ってください。その代わり、あなたのトリステスを治す道を一緒に探しましょう」と、ニールセンは言った。神々からの指令で、禁術を使った魔法使いの手がかりを得て、この家にやって来たのだった。

「俺にかまうな」と、打ちひしがれたカレルは、ベッドに腰かけて、突如やってきた賢者・ニールセンを追い返そうとした。

 だが、「あなたも同じようにトリステスで死にたいんですか?」という賢者のセリフで、思い立ったことがあった。

(俺はまだこんなところで死にたくない。この剣一本で生きてみたい)と、ふとカレルはそのとき思ったのだった。

 それから、二人の奇妙な道中が始まった。

 カレルは、人の通常の3倍の魔力を持っている。剣術もピカイチだ。ニールセンも、弟子としてとったカレルの成長ぶりに、満足そうに微笑んだ。

 それから7年あまり、彼らはリラやリマノーラ、ガーレフ皇国など、広く旅をした。トリステスを治してくれる医者を見つけるためだ。それと、ニールセンの賢者としての任務を果たしつつ、の旅だった。

 その結果、二人はハシント近くのメルバーンに帰って来た。その時、すみれ姫ことハザリーに、ダーラムの町で出会ったのである。

 7年間の旅で、二人はついに、トリステスを治せる医者を見つけた。ただ、そのための材料が今は足りない状況であることを知らされた。そのリストまでもらった始末である。

 その医者はリラ東部にいた。闇医者ではないが、禁術についても造詣の深い医者だった。

-------------------------------------------------------------------------------

タイプ8のトリステスを治すために

必要なもの


・ヴァルキューレの祝福


・サラマンダーのしっぽ


・バンシーの涙一滴


以上を持ってきて、金貨50枚(50ガリオン)も渡すこと。


by医者


----------------------------------------------------------------------------------


 そのため、二人は仕方なく、リラから南下し、ニール賢者の出身地・メルバーンにとりあえず戻ってきたのである。

 ヴァルキューレの祝福?何のことなのか?それを訪ねても、医者は「答えは自分で探せ」というばかりだった。

 まるで謎の問いかけのようなリストに、二人は頭を抱えてしまった。

「お・・師匠・・さま・・・」というハザリーの声に、カレルは我に返った。

(夢でも見てるのか??そういえばこの子、山賊の時も御師匠様、お師匠様って言ってたな・・・)

 ニール賢者の契約している火属性の精霊は、サラマンダーではなくイフリートだった。7年間、サラマンダーと契約している、なおかつ二人に協力してくれる魔法使いを探したが、いなかった。

 その時、カレルとハザリー、そして医者のいる部屋に、ニールセンと町長が入って来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る