第4話 35.5089585, 139.6172834 新横浜

 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目。


 3人は次の目的地、新横浜駅まで来た。


「ドラゴンは中華街にぎょうさんあるやろうけどやっぱそれかいな?」


「まさか『竜王』ってチャイニーズマフィアのボスとかのニックネームでしょうか?」


「それは考えすぎ。でも異世界はやっぱり関係ないわね」


「横浜だけに異人さんはおっても異世界人はおらへんのやないか? 知らんけど」


「とりあえず、中華街で美味しいものでも食べようか。必要経費で」


「いいですね」


「ええな、賛成や」


 そのとき、またヨシノのスマホが鳴った。


「ヨシノ、今どこだ」


「サブロウ先生、今みんなと一緒に横浜まで来ています。先生も横浜ですか?」


「いや、オレはもう横浜を離れて次の場所にいる。座標を送るからそこまで来てくれ」


「あら、それは残念。じゃあアタシたちはコレから中華街でのんびりとおいしいもの食べてから向かわせていただきますね。ご一緒できなくて残念だわ」


「なんだと! おいちょっと待て、お前たちだけでそんなのずるいぞ!」


「まあ、日頃の行いやな。自業自得だとちゃいまっか?」


「おいカズマ! それはどういう意味だ!」


「サブロウ先生がじっとしていないで勝手にふらふらとどんどん逃げていくのが悪いんですよ。いーだ!」


「ええ? ヨシノまで、そんなあ」


「じゃあ師匠、座標だけ送ってくださいね。ゆっくり食事してから追いかけますから。バイバーイ」


 3人は通話を終了した。


「ちょっとかわいそうだったでしょうか」


「これくらいかまわへんて」


「まったく、少し位は痛い目に合わないと師匠は懲りないから」


「ですよね」


 その後サブロウからは泣き顔のスタンプと「せめてお土産にシウマイを買ってきてください」とのメッセージを添えて座標が送られてきたのだった。




35.6978368, 139.4137252




「そんなの検索するのはあとあと。ご飯が先よ!」


「「おおーっ!」」




つづく

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