第3話 35.1706431, 136.8816945 名古屋

 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1-4。


 ヨシノとチカとカズマは指定の座標にやってきた。


 JR名古屋駅である。


「逆戻りやなもんなあ」


「ドラゴンはドラゴンでも、ここ名古屋で中日ドラゴンズを見に行くのでしょうか」


「シーズンオフよ」


「ちょっと待ちぃ。よう考えたら、サブロウ先生はドラゴンだなんて、一言もうとらんで。『竜王』うとるやろ。コレはきっと将棋の富士石陽太竜王のことやないか? あの人も愛知県出身やで」


「サブロウ師匠って富士石竜王とコネあったっけ?」


「ないですね。それに将棋がそこまで好きだとも思えないのですが。それに、なんでわたしたちはわざわざ伊勢にまで行かされたんでしょう?」

 

「「「うーん」」」


 そのとき、グループラインに再びサブロウからのメッセージが入った。


『名古屋についたら東海道新幹線に乗って次の座標に向かうこと』



「「「名古屋が目的地じゃなかった!」」」


 続いて再び座標が送られてきた。




35.5089585, 139.6172834




 3人は三度目の座標検索を行った。


「異世界は関係なくないですか?」


「ドラゴンなら探せばぎょうさんありそやけどな」


「ともかく行くしかないよ! サブロウ師匠を捕まえるわよ!」


「「おおーっ!」」



つづく

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