W3 ホテル「オーシャン・イン」
北の寒い風が吹く海岸へやって来たモコローとクリスの2人。
この海岸にはホテルがある。青と黒が基調とした大きなホテルだ。
名前はホテル「オーシャン・イン」。昔からこの島に訪れる観光客が集まる。
まぁこんな
今日もエントランスで客の見送りを行っているスタッフがいた。
「では、行ってらっしゃいませ、お客様。お気をつけて…」
彼はスノーピッチャー。雪だるまのモンスターである。
上品な振る舞いで、さらに聞いていて心地良い声。完璧な点しか無い…!
そんな彼の元へ、モコローとクリスとかいうヤバい奴らが現れた。
「このホテルで昼でも食べないか?」
↑クリス
↓モコロー
「え、泊まる訳でもないのにレストランだけ利用とかできるの⁉︎」
「うん、このホテルはレストランだけなら宿泊客でなくても利用できるらしい」
「なら行こう!」
「おや、お客様…レストランをご利用なさいますか?」
スノーピッチャーがモコローたちに声をかける。
「はい」
「それでは、あちらのレストラン専用の受付でサインをお願いします…」
2人は受付でサインし、レストランに入った。
レストランはバイキング形式であった。
「おぉ美味しそう!この大きなエビとか!」
「このシーフードシチューとかも美味いぞ」
「や、山の幸が…無いい!!」
ホテルの客が叫ぶ。スタッフが慌てて対応する。
「お客様、どうされましたか?」
「あ、いや、その、料理が海の幸ばかりじゃないですか?山の幸は…マウンテンフードとか無いんですか?」
客は海派ではなく、山派らしい。つまりシーフードではなくマウンテンフード(キノコやジビエ)が食べたいらしい。
時計のようなモンスターのスタッフが困惑する。
「えっと、当ホテルではマウンテンフードw…すみません、ジビエなどは取り扱っておりません」
「え、マウンテンフードでツボってるんですか?」
↑客
車の上に黒いスライムのような物体がついたような客のモンスターも困惑した。
「え、普通にマウンテンフードって呼ばないですか?」
「呼ばないですね多分」
「どうされましたか⁉︎お客様」
スノーピッチャーがレストランの中に入って、客に尋ねる。
「あ、いいえ、そんな
ただ山の幸が無いなと思い…マウンテンフードは取り扱ってないんですよね?このホテル」
「マウンテンフード?あぁ、シーフードの対義語でしょうか?」
「え、もしかして使ってるのって私だけですかね⁉︎マウンテンフードって…。
あの、そこの、お2人…」
客がモコローたちに声をかけた。
↓クリス
「(こっちに聞いてくるなよ…)はい、なんですか!」
「お2人は山の幸をマウンテンフードと呼びますでしょうか…?」
「知らないです!俺はマウンテンフードだなんて生まれてから一度も聞いた事無いので!」
イラつくクリスに、客は何度も謝った。
「(クソ、これじゃ被害を受けてるのは俺なのに、俺がこの客に迷惑をかけているように周りから見えるじゃないか!
なんとかしてくれモコロー)」
↓モコロー
「僕は特に何とも思わないよ。良いんじゃない?マウンテンフードって勝手に呼んでも」
「そうですか…ありがとうございます。あの…お名前をお伺いしても、よろしいでしょうか?」
↑客
「モコロー・ガードルです」
「そうなんですか。ありがとうございます。
トナカイさんも、お邪魔してしまい、申し訳ございません…」
「あ、はい、こちらこそ、なんか、すみません…(なんか俺が悪いみたいな感じじゃん!)」
客は満足すると、山の幸だとか何も言わずに料理を食べ、完食と同時にレストランを後にした。
「「(え、もう良いんかい)」」
スタッフとスノーピッチャーは呆れる。
モコローとクリスはスタッフよりも呆れた。
「「(あの人は何がしたかったんだ…)」」
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