W2 ホワイトヒル

モコローとクリスの2人は、街の近くにある白い雪で埋もれた丘へやって来た。

空が水色というかライトグリーンというのか、朝なのか夜なのかハッキリしない空で、あまり例を見ない幻想的な風景だ。


地面から謎の黄色い水晶が生えている。


「これ何?」


モコローがクリスに聞いた。


↓クリス

「その水晶は飴だ」


「飴⁉︎」


「そう」


「天然の飴があるって事⁉︎」


「まぁそういう事なんじゃないかな?」

「地元民なのに よく わかってないの…」


「君も地元の事全て知り尽くしてるのか?」


「僕の地元は戦争中なんだよ」

「え、すまん変な事聞いて」


「いや大丈夫だよ!」




「謝れて偉い!!」


突然、少し高いところから声をかけられる。

2人が上を向くと、なんと目と手足のついた骨付き肉がいた。


「誰??」

↑モコロー


↓骨付き肉

「オイラはジューシー。食われるだけの人生とか嫌だから家を飛び出して一人旅してる未来ある若者だよ!!」


「肉が一人旅とか腐るだけじゃないか?」

↑クリス


「そんな事無いよ!!オイラは常に究極の美味を求めているんだ!!そしていつかオイラが食う側になれるよう経済についても勉強してるんだ!!」


「そうか、そりゃ良かったな。で、俺らに何の用?」


「ん、地雷を踏んだらすぐに謝れるのは偉いな〜って。大抵の人は踏み潰すからねぇ〜。

それで閃いたんだ、お前たち、オイラのところで働かない?

食われてみない?」


「申し訳ないが、俺はすでに仕事がある。そしてモコローは大学生、君みたいな悪意のある大人についていかせる訳にはな…」


クリスは素早く断った。ジューシーが残念がりながら叫ぶ。


「そんたぁ…ならデマとか流しちゃうぞ!!きっと後悔するな、オイラの勧誘を断った事を!!」


「デマ…?例えば?」

↑モコロー


「そうだな…この島の気温が上がった原因はモコロー、君だと広めるとか!!」


「えぇ(困惑)。

さすがに無理があるんじゃない?僕この島に何も恨みとか無いし、住民も騙されるような感じじゃないだろうし…」


「なら広めちゃっても何のマイナスも無いな⁉︎広めても問題無いよな!!」


モコローに体当たりするジューシー。

間一髪でモコローが避けた。


ジューシーの体が触れた地面が燃え始める。


「オイラは炎上のプロだぞ?本当に広めても良いのか?」


「「(面倒な性格だな…)」」


「これでも喰らえ!!」


今度は彼は炎の弾をクリスに向かって発射した。


クリスが掌から氷を生成し、炎の弾をかき消す。


「……………」

↑ジューシー


↓クリス

「(お、やっと黙り込んだか。ふぅ…)」


「これが最後の忠告だ。本当に炎上させるぞ?

モコローがこの島に来た事が、気温が上がった原因ですとデマを流すからな!!」


「「どうぞご勝手に」」



「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ、なんか返しが腹立つ!!もう良いもん!!」


ジューシーは丘を降りて街へ向かっていった。

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