第5話 雪の中の真実
サクラ達は雪山を登る。
それは非常困難なもので、気が付くと汗を掻いていた。
「あの、ポプラさん!」
「もう少しです」
もう少しと言われてどれだけ歩いたか。
歩き疲れたサクラ達は、目の前に氷の道があることに気が付く。
「ここね」
「ここ? えーっと、なにも見えない……」
氷の表面は透明で、中の様子もハッキリ見える。
覗き込んでみるも、白く露結していた。
そのせいで上手く見えないが、ヒマワリが軽く踏み付けて砕くと、パリンと割れて、奥の様子がハッキリする。
「「「一体なにが……うわぁ!!!」」」
氷が割れ、中にあったものにサクラ達は悲鳴を上げた。
流石のポプラも想定外だったのか、険しい表情をする。
見つけた方がいいけど、見つけたくないものがそこにある。
「コレって、本物の人間だよね?」
雪の中には男性が倒れていた。
調べるまでもない。既に凍死……いや、圧死していた。
「どうして、こんな?」
「多分、雪に飲まれた」
雪の中に埋まっていた以上、そうなのだろう。
しかし如何して雪の中にいたのかな?
腐ってはいないからこの人の身元はすぐに分かる筈。しかしそれを調べるのは警察の仕事だ。
「コレは?」
その傍には小さなアイテムが落ちている。
スノードームのようで、中には雪だるまが入っていた。
綺麗だなと思うサクラだったが、セッカはそれを見た瞬間、サクラの手の中から取り上げた。
「それは私が道の駅で売っている魔道具」
「魔道具?」
セッカは手先が器用だ。
お小遣い稼ぎも兼ねて、こういった可愛いものをネットなどで売っている。
しかもただのスノードームじゃない。
コレは魔道具と言って、特殊な魔法アイテムだ。
「きっとコレになにか残されているはず」
セッカは自分の作ったスノードームを起動させた。
すると中の様子が変化する。
雪だるまの形がみるみるうちに人になると、一種の映像のように、何があったのか、過去を映し出した。
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