仲間たち②

放課後、静かな教室に僕たちは集まり、僕の描いたポスターを囲んで立った。僕は称賛の言葉を待った。むずがゆい気持ちだった。沈黙の後、山下が言った。


「ちょっと、うん……」


 すぐに伊藤と鈴木が続いた。


「うーん」

「そうだな……」


 再び沈黙。僕は絶句していた。ぐら……と視界が歪み始めた。山下が勇気を出して言った。


「ちょっと、ま、たとえばもう一案。あってもいい、かも……?」


僕の口をついて言葉が出た。


「どこらへんが駄目だった?」

「どこらへんっていうか、その……全体的にというか」

「じゃあお前が直せば? いいよ別に。好きにしてもらって」


伊藤がちらりと僕の顔を見た。鈴木は俯いていた。山下は机に置いた絵と僕の顔との中間あたりに目を向けたまま、なんとか言葉を続けた。


「それは、違うでしょ。描いたのそっちだし、そっちが直した方がいいんじゃない? こっちも口出すだけじゃあれだから、一応、アイデアとかなら出すし」

「いらないでしょ、別に。こっちはこれが一番いいと思ってるんだから、直すんならそっちでやればいいじゃん。そっちのが合理的じゃん」


目眩がしていた。うまくものを考えられなかった。


そのとき、三人の視線が大きく動いて、つられて僕は振り返った。後ろにいたのは四之宮さんだった。

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