可愛い神様と幼女 (ドワーフ) と動画配信しながらのんびりスローライフ 〜辺境に左遷されたので、資金調達は動画配信で〜
垂直双極子
プロローグ
どうもこんにちは。クリム・フォン・リーベルスです。
「契約神の──」
「まんねん お花畑のミャーだよー!」
「ミャニちゃん被せないでねー?」
辺境に左遷されたので、かいたく──。
「遊んでいきます」
「被せんなミャニ。俺の台詞だ」
「クリムの契約神のテトで──」
「ミャーのだー!」
ご覧の通り、背中に純白の羽の生えた可愛い神様テトと、年齢不詳のドワーフの幼女ミャニと、辺境開拓実況していきます。
「……ご覧の通り、この二人にまともな開発はできないので──」
「ふにゃにゃにゃにゃー」
「ミャニ、言うことないなら黙ってようね? ……はい。私がサポートしていきます」
と、神様が御自ら申しております。
「私の苦労も知って欲しいよ」
「ミャーのもー!」
「ミャニはこっち側だろ」
「ミャーはそっち側なのだ!」
「二人とも自分達の立場が分かっててよろしい」
とりあえず道具も何も持ってないので、木こりからですね。
「左遷された時に、何も持ってこなかったから」
「バカにゃのかなー?」
「ミャニさんには言われたくないです」
とりあえず道具一式。上級神のテトがくれた道具鍛冶スキルがあるから、すぐに作れます。どうやって木を切り倒すのかって問題があるわけですが。
「クリム。とりあえず開拓するにあたって、目標は決あるの?」
「あるよ」
「肉ー!」
「違います。金です」
「うん。肉の方がまだ健全だね」
残念ながら、貴方の契約主は健全じゃない様ですね。はい。道具一式作るまでカットで。
できました。石のピッケルと斧です。
「石? 木じゃなくて?」
「木だからねー!」
「……木だから?」
木製の道具は性能が低いし、すぐ壊れるので石材を取ってきて作りました。
辺境に飛ばされて、開拓を命じられたって言っても金が必要です。ただ、俺らに資本は無いし、ここら辺は労働力もありません。なので、ギルドの方でクエストを請け負ったり、物を売ったりして資金を調達しようと思ってます。
今回は、後者で稼ごうかなと。
「じゃあ、手っ取り早いのはダンジョン?」
「ですね。ミャニお願いします」
「分かったー!」
「見つけたー!」
「見つけたー。じゃ無いよ。え? 実況だよね? クリム、解説は?」
「森の中歩いてるだけとか、つまらないでしょー?」
「ミャニちゃん。メタいからやめなさい」
実際、森の中歩いてるだけなので、カットです。
とまあ、このダンジョンを掘り抜きました。
「待って待って待って。私も視聴者さんも、置き去りだから」
「やってんねー!」
「って言ってるミャニも、半分以上は掘り抜いてる訳だけど」
ダンジョンの魔物も、混乱してますね。
「そりゃあ、住んでるところ壊された訳だもんね」
「ふにゃぁー」
宝箱も剥き出しになっているので、開封して、全部売っちゃいましょう。
「鉱石を露天掘りで採掘するように、ダンジョンを掘り抜くかな。普通」
あ、ちなみに魔王はもう倒しました。
「は?」
「弱かったー!」
「しかも、ピッケルとか斧とかダイヤモンドだし」
「露天掘りだからねー!」
魔王城にあったので拝借してきました。もう既に二、三本ほど壊れてるんですが。
「こうして、世界の平和は保たれたのでした。ご視聴ありがとうございました」
「待って。とりあえず。とりあえず、宝箱の中身を売りに行こ?」
「分かった」
近くの街まで来ました。
「13万2千ゴールドになります」
「ありがとうございます」
「大金だー!」
と、ここら辺で終わりたいと思います。
「やっぱり、動画にする気ないでしょ?」
「ないよ」
「ないよー!」
「どっちかがあるって言ってよ」
じゃあ、ご視聴ありがとうございました。
「ありがとうございました」
「ありがとー」
───────────────────────
草木が深く生い茂った森の中に、テントが立っていた。テントの横は採集のためか深く掘り抜かれて、夜の闇の中では底が見えなかった。
「なあ。テト」
「なに?」
銀髪の白い羽の生えた神様は、五、六歳くらいの女の子を抱き抱えていた。女の子は神様の膝の上で、気持ちよさそうに眠っていた。
「バズった」
「だろうね。魔王倒しちゃったんだもん」
この日、勇者は解雇された。
次の更新予定
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