第1章 始まりの島(日本編)第2話 暖かな幸せ
井伊谷城で祝いをした翌日
清彦は今井家輝の娘(愛御前)をお嫁に迎えるために駿河城へ向かっていった。
その駿河城での事
清彦「今井家輝様!井伊助九郎清彦、ここに参上仕え奉りました。」
家輝「あぁ清彦か…実は折り入って話があるのだが…」
清彦「何でございましょうか?」
家輝「ソチと交わした約束があるじゃろう?」
清彦「はい!あります。ですがそれがどういたしたのですか?」
家輝「実は…その件無かった事にしてくれんか?」
清彦「え・・・な・・・なぜ!何故にそのようなことに…」
家輝「実は…元々隣国の尾張ノ國大名『織井戸康長』の子息にわが長女(愛御前)を嫁がせる約束をしていて・・・代わりと言っては何なんだが次女(華御前)を嫁がせてはくれぬか?」
清彦「そのようでしたか・・・」
氏広「清彦…そう落ち込むではない…きっと華御前様も良い方になってくれると思うしそれに愛御前も承知しているはずだ!だからそう落ち込むでな・・・」
???「そんなのひどすぎますわ!お父様!」
家輝「愛御前・・・なんだきておったのか・・・それならそうと・・・」
愛御前「お父様!そのようなことはどうでもよいのです!それよりも清彦様と夫婦に成れぬとはなぜですの?!」
家輝「・・・聞いてたのなら今まで言ったとおりだ。」
愛御前「そんな・・・お父様は私を愛しておられぬのですか?」
華御前「そうです!そうです!お父様!姉上を悲しませないであげてください。
姉上は清彦様と夫婦になれると言って大層喜んでおられましたの。
だから清彦様との婚姻は私では無く姉上にしてあげてくださいまし。
その代わり織井戸家には私めが御嫁ぎいたしますのでご安心を。」
家輝「それならば相手側との約束はどうすればよいのだ?」
華御前「それなら私が長女と言う嘘をつけばよいのです。」
家輝「いや!それはだめだ。すぐばれてしまうではないか!」
華御前「はぁ・・・お父様それなら姪っ子はどうなるのですか?」
清彦・氏広「姪っ子?」
家輝「華御前!それは・・・!」
華御前「はい!清彦様と姉上の娘です。・・・あ」
氏広「え・・・えぇぇぇぇぇ!まことか!清彦!」
清彦「えぇ!そんなの知りません知りません!」
家輝「んん・・・すまんな、いままで隠していて…」
清彦「いいえ!そんな・・・気を落とさないでくだされ、家輝様!」
するとひょこっと・・・
徳御前「お呼びですか?お母様に、姉上様それに祖父上もどうされたのですか?・・・あ!」
愛御前「そうよ徳御前!あそこにお父様(清彦)がいるわよ。」
徳御前「あの方が私のお父様ですか?お母様!」
愛御前「えぇ!そうよ。ほら!いってらっしゃい!」
徳御前「はい、お母様!わ~い!お父様!お父様!」
清彦「おぉ!徳御前・・・ごめんな・・・ずっと待たせてしまって。」
徳御前「全然そんなこと1度も思ったこと無いです。だから謝らなくていいよお父様!」
清彦「そっか・・・なら徳はお父さんがいい?それとも違うお父さんがいい?
突然聞いてごめんよ?でもお父さん聞いてみたくなっちゃって・・・」
徳御前「んん~私は清彦お父様が良いです。昔からそうでしたから清彦お父様がよいのです!」
そして、皆一同驚きつつも納得し・・・愛御前の代わりに華御前が嫁ぐことになった。
そして井伊谷城に帰ってきてのこと
清彦「父上、母上、祖父上、祖母上、武彦、徳忠院!ただいま戻りました。」
井伊家一同「お帰りなさい!」
真田院「あら?そちらの方は?」
清彦「我が妻、愛御前と娘の徳御前にございます。」
愛御前「初めましてお義母様、今日からよろしくお願い申し上げます。」
徳御前「初めましておばあさま、今日から私も宜しくお願い致します。」
真田院「あら~!可愛い嫁さんに娘ちゃんね!
ふふっ!こちらこそよろしくね!
私は清彦の母真田院といいます。」
政彦「そして、俺は清彦の父政彦と申す。」
直彦「そんで儂は清彦の祖父直彦と申します。
めんこい孫の嫁に可愛いひ孫ができて儂は嬉しいぞい。」
源田院「爺さん?少し浮かれすぎですよ?
あ!私は清彦の祖母、源田院と申します。何か困った事があればいつでも言ってね!」
武彦「初めまして、僕は清彦兄さんの弟、武彦と申します。
僕は、綺麗な姉上と可愛い姪ができて嬉しゅうございます。」
徳忠院「こんにちは、初めまして、私は清彦お兄様の妹、徳忠院と言います。愛姉様、徳御前ちゃんもよろしくお願いいたします。」
愛御前「みなさんよろしくお願いいたします。」
徳御前「わ~い!おじいちゃんおばあちゃんとお兄ちゃんお姉ちゃんが出来て徳、嬉しい!」
真田院「さて!今日はお赤飯炊くわよ~!」
源田院「私も手伝いますよ。」
真田院「可愛い嫁ちゃんと孫娘のためにね!」
愛御前「あ・・・有難うございます!」
真田院「そんなどおってことないわよ。さ!徳忠院?二人を本丸の彦根屋敷へ案内してちょうだい!」
徳忠院「はい!お母様!さあさあ!愛姉様に徳ちゃんついてきて!」
愛御前「それじゃあ案内よろしくお願いいたします。徳忠ちゃん!」
徳御前「やった~!徳の新しいお家だ~!」
こうして井伊谷城の人全員で愛御前と徳御前の為に豪華な晩御飯を用意した。
そして晩御飯の時
直彦「それじゃあ家臣の皆そして、家族の皆で新しい家族を迎い入れよう!乾杯!」
井伊谷城一同「乾杯!」
ざわざわと
家臣1「いやー!直彦様おめでとうございます。我々も自分事の様に嬉しゅうございますよ。」
家臣2「私も仕えが直彦様で良かったです。」
直彦「みんな・・・有難う!」
使女1「徳御前様?お飲み物はどういたしますか?」
徳御前「ん?今は大丈夫です。」
徳忠院「それじゃあ私は漢方のお茶で!」
真田院「徳忠院?あなたはもう…浮かれすぎですよ…」
政彦「清彦!お前ももう父親か!立派になりおって!父は嬉しゅうぞ!」
清彦「父上・・・これからも変わらずよろしくお願いします。」
政彦「・・・そうだな!それじゃあ清彦!武彦!今日は飲み明かすぞ!」
清彦・武彦「はい!父上!」
こうしてその晩井伊谷城は一晩中盛り上がったそう。
めでたしめでたし 第2話終わり。
ポルスカ姫と大和侍 毛 盛明 @temeteni-
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