3、レベルアップ
その後何日も何日も蚊に血を与えていると、
蚊にも愛着が湧いてきたのかペットに餌をやる感覚
であげることが出来た。
ローゼリアは蚊に血をあげレベルアップさせることに奮闘して召還に失敗して屋敷に帰ってきた頃よりも明るくなっていった。
虫さされはメイドに見られて塗り薬を塗られたが…
今日も今日とて血を上げていたら
手の甲に乗った蚊は血を吸っていたが次の瞬間青白く光輝いてなんとそこには蚊ではなく黒いコウモリがいた
「れべるあっぷしたのね!!」
虫から哺乳類に進化した訳はわからないがとにかく進化は進化だ喜んでいいだろう。
「やったわ…!!この調子でどんどん血を上げていきましょう!」
するとコウモリがくりくりとした瞳で此方を向いて
パタパタと飛んできて顔にくっついてきた
「まぁ…可愛らしいわね、蚊とは大違い」
指を差し出すと上にとまって羽のけずくろいを始めた
コウモリを付き従えてるのを見た家族は驚きながらも祝ってくれた。ローゼリアは召還に失敗していなかったんだ、と。
小動物と契約を結ぶ人間は平民に多いが、ローゼリアにとっては些細なことだった。自分がちゃんと召還出来ていたのだということがなにより嬉しかった。
それからローゼリアはコウモリに吸血をしてもらうようになる。
そして吸血をして貰い一年がたった頃
「さぁたんとお飲みなさい」
首筋をさらけ出してコウモリに差し出す
コウモリはいつものように小さな口を開けてカプリと血を吸い出した。
んくんくと吸っている様子を見ると母性が湧いてくるような気がする。
するとコウモリが青白く光だした
「まさか…、れべるあっぷする時が来たのね!?」
光はどんどん大きくなっていきローゼリアを越して大きくなっていき最後にいっそうまばゆく光った
(眩しい……わたくしのコウモリはどうなったのかしら)
次に目を開けるとそこには艶々とした黒い髪に爛々と光る赤い目をした男がいた
「えっ」
男はニヤリと笑い白い牙を覗かせた。
「ようやくだようやく人形になれた」
そうしてローゼリアを抱きしめた
「きゃっ何!?」
「ご主人サマ?血をくれてくれてありがとう…ようやく完全体になれたよ」
「あなたが……私の使い魔?」
「そうだよ、ひどいな、わからない?」
そう言った男は顔の左頬を指差した、そこには確かにローゼリアと同じ形をした召還紋が刻まれていた
「虫の頃からご主人サマにお礼がいいたかったんだ、こんなに小さい俺に気づいてくれて。血まで与えてくれてありがとうってね」
そう言うと男はローゼリアの手の甲にキスを落とした
(なんて、キザなの……!)
顔を赤くさせるローゼリアに男はくくっと笑った
「名をくれるかい?ご主人サマに名付けて貰いたいんだ」
「名、名前ね……そうね、ヴラドなんてどうかしら」
「ヴラド、ヴラド……俺は今からご主人サマのヴラドだ……!」
ヴラドはローゼリアを抱きかかえながらくるくると回った
ニコッと笑った口からは牙が覗いて彼、ウラドが吸血鬼だということを示していた
(まさか吸血鬼になるなんて……!)
「ご主人サマ?これからもたんまり血を頂戴?そしたら俺はもっと強くなってご主人サマを守れるようになるから」
こうしてローゼリアの使い魔は蚊からレベルアップして吸血鬼になり、にこりと笑いローゼリアを抱き締めるのであった。
悪役令嬢は蚊を召還しました!でもその蚊はレベルアップしていきます @marin0313
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