第10話 それって結局何の話?

 小説を執筆するうえで気を付けたいのが、その物語は結局何の話か、分かりやすいようにすることです。


 5W1Hという言葉をよく耳にしますね。

 When(いつ)時間

 Where(どこで)場所

 Who(だれが)主語

 What(なにを)目的語

 Why(なぜ)理由

 How(どのように)手法・詳細


 これはその文章を読むうえで「結局どういう話なのか?」を理解する手掛かりとなります。

 反対に言えば、書き手もこれがわかるように意識して書かないと


「これっていつの話?」

「このやりとりってどこで行われてるの?」

「結局誰が魔王にとどめを刺したの?」

「この主人公が攻撃したのは誰?」

「ていうかこの勇者はなんで戦ってるの?」

「魔物を倒したって書いてるけど、どんなふうに?」


 このように読み手に疑問符が浮かんでしまうわけです。


 これでは面白いシナリオでも素直にそれを評価することはできませんね。


 例えばある日、ある場所でヒロインが主人公に告白されている場面を想定します。


 その告白が行われた日時、時間帯は読者がイメージできるよう記されていますか?


 どんな場所で告白しているかわかる表現はありますか?


 本当ににヒロインが告白しているって読み取れますか?


 告白相手が主人公であることはちゃんと書いていますか?


 どうしてヒロインが主人公のことを好きになったか、それは書いていますか?


 どのように告白していますか? ただ単に「告白した」で終わってませんか?



 自分のシナリオが5W1Hに則っているか。

 それを確認するためには、まず自分の書いた文章を「簡潔」にあらわす練習をしましょう。


 簡潔に言えば、その小説はどういう物語ですか?

 その章は誰がどういう理由で何をどうするお話ですか?

 その1話は結局どういう話なんですか?


 書き手からしたら「○○で××がこういう理由で誰誰に何とかする話」と答えられる人が多いかもしれません。


 しかし読み手からするとどうでしょう。書き手は脳内でイメージができているため、足りない部分を勝手に想像で補って「よし、これで大丈夫だろう」と納得してしまいがちです。


 一方読者はまっさらなキャンバスの状態から、文字だけを読み取ってその場面をイメージしなければいけません。


 書き損じているところがあれば、ダイレクトにイメージしにくくなり評価できない要因になってしまうんですね。


 心配な方は、まず自分の書いた原稿を読みなおしてみましょう。


 それを読んだうえで「こういう話になっていたな」「この部分が読み取りづらいな」という弱点を見つけていくことだ大事だと思えます。



 ……なんか今日の話は分かりづらかったですね。


 結局何の話がしたいんだったっけ?

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