第41話
「大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫」
修哉は私から手のひらを離すと今度は端正な顔で私をのぞき込む。修哉の肩が私の肩にトンと触れて修哉に聞こえそうなくらいに心臓が音を立てる。
「恋は俺の隣に居てくれたらそれでいいから。同伴の件、頼む」
「わ、かった」
「よし、いい子だな」
そう言って修哉が満足げにふわりと笑ったその瞬間だった。
(あれ──?)
私は一瞬、誰かの顔がよぎったような気がしたが思い出せない。
(気のせいだよね……修哉とは会ったばっかりだし)
そう思いつつもいつだって修哉の笑顔をは何だかすごくほっとしてあったかくて、優しい気持ちになる。
そして不思議なことにずっとずっと前から知っているようなそんなどこか懐かしい不思議な気持ちになる。
「……恋?」
「ううん……なんでもないの」
私は火傷しないように湯飲みに口づけながら、やっぱり赤くなった顔をお茶の湯気で誤魔化した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます