第42話
※※※
修哉と婚約者契約を交わし、修哉の秘書になってから二週間が飛ぶように過ぎた。私は少しだけ慣れてきた秘書としての業務に区切りをつけると、パソコンをシャットダウンして窓から見える夕焼雲に目を細めた。
(このあいだは楽しかったな……)
私は鞄からそっとスマホを取り出す。そこには嬉しそうにしている私と、その手にはチョコ味のソフトクリームが写っている。
修哉がこの間の休日においしいチョコ味のソフトクリームがあるからと県外までドライブに連れて行ってくれたのだ。
(修哉がまさか甘党だったなんて意外……)
てっきり修哉は甘いものが苦手なのかと勝手に思っていたが私と一緒にソフトクリームをあっという間に平らげ、美味しかったと子供みたいに白い歯を見せた修哉がいつものクールなイメージと正反対で可愛らしかった。
私は昨晩送られてきた修哉からのLINEのメッセージを眺める。
──『来週は恋の見たがっている映画が公開されるようだから予約した、一緒に行こう』
「ほんと……優しいな……」
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