【子神駅】 ネズミの女王を探せ

 祥観達三人は、子神駅ねずみがみえきにやって来た。

 無間聖霊駅を出発して五ヶ所目の所にある駅だ。

「チュウチュウ! 」

「おお、可愛い鳴き声だね! 」

 シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……

 ドゥーーーーーーーーーーンッ!

 ドアが開いたその時。

 ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ……

「出たな異邦人! 」

「皆のもの、我が城に侵入するもの排除せよ! 」

「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!! 」

 突然、長剣を持った全裸のネズミ娘が電車の出入り口を塞いだ。

 しかし、祥観達は、この駅を攻略しないといけない。

 だが、祥観は、逃げたい気持ちである。

「早く逃げよう! 」

「祥観、ハート。僕の手を握って! 」

「ええ? ううん、解った」

 祥観とハートは、手を一本ずつ握った。

 そして、レミングが魔法を叫ぶ。

「中堅魔術『五臓六腑・死打』」

 ビユビユウゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…………てっ、何も起こっていないよ! 」

「祥観、ネズミ娘を殴ればわかるわ! 」

「そう? 解った! 」

 祥観は、ネズミ娘の前に来た。

 そして、拳を突き上げる。

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……」

 ドタッ!

 目の前にいたネズミ娘は、血を吐き出して前に倒れた。

「おお、ネズミさんを一撃で倒した。これなら、何体来ても倒せるね! 」

 ザザッ!

 祥観達三人は、改めて戦闘態勢に入る。

 そして、目の前にいるネズミ娘に向かって殴りかかった。

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

「うりゃうりゃうりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

「おうらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……」

「ウヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……」

 ネズミ娘が次々と血を吹き出しながら倒れていく。

 それは、道が出来るまで何度も続いた。

「隊長! 女王様を呼んでください! 」

「解った! 」

 『これは、危険』と判断したネズミ娘達。

 ネズミ娘の隊長がウエストポーチからコードがついたマイクを出した。

 ルルルルルルルルルルルッ!

「女王様、女王様! 女王様、女王様! 」

 プゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「これは、まずいな! 」

「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 ガスッ!

 祥観は、ネズミ娘の隊長に殴りかかった。

 しかし、とっさの判断で隊長を腕を掴んだ。

「そこの天女にお願いがある。今回は、我らの負けだ」

「ううん、よかったぁぁ…………」

「そこで、お願いがある」

「ううん? 」

「女王様を探してくれ」


 子神駅地下一階地下通路。

 祥観達三人とネズミ娘の兵隊は、出口がたくさんある場所にやって来た。

「どこかに、ネズミの女王様がいるのね」

「ローラー作戦で行こう。すぐに見つかるはずだ」

 祥観達は、ネズミ娘の隊長を先頭に出口を出た。

 まずは、1番出口。

 ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ………………スダッ!

「ううん? 」

 ネズミ娘の隊長は、外を見た。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 目の前にあったのは、大きな市場。

 白いテントの店がたくさん並んでいる。

 しかし、お城はどこにも無かった。

「あんなに大きい建物なんだから、見つかるはずよね」

「諦めたら、どうかしら? 」

「いいや、どこかにあるはずだ! 皆のもの次の出口へ行くぞ! 」

「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!! 」

 祥観達はネズミ娘の隊長を先頭に、次の出口へ行った。

 次の出口は、2番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 次に、3番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、4番目出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、5番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、6番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、7番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、8番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、9番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、10番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、11番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 その次に、12番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 13番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 14番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 15番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

 最後に、16番出口。

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「いらっしゃい、いらっしゃい! 」

「な、何てことだ……………………」

 ネズミ娘の隊長によるローラー作戦は、失敗に終わった。

 どこに行っても、市場、市場、市場、市場、市場、市場、市場、市場、市場、市場。

 お城がどこにも見つからない。

 ガシンッ!

「我が城は、すでに滅んだと言うのか………………」

 ササッ!

「ううん? 」

「どうした? 天女? 」

「なぜか、ここだけ点字ブロックがあるわよ」

 カッカッカッカッカッカッカッカッ!

「他の出口には、無かったわ」

「天女、すごい発見だなぁ! 皆のもの、点字ブロックをたどれ! 」

「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!! 」

 祥観達は、ネズミ娘の隊長を先頭に地下地下通路に戻った。

 ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ!

 通路来てから最初に、右へ曲がった。

 その次に、13番出口を通り過ぎて右折。

 その次に、1番出口通り過ぎて右折。

 その次に3番出口と4番出口の間を通って左折。

 その次に、右折。

 12番出口と16番出口の間を通って、9番出口入った。

 ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ……スダッ!

 スウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………………

「おお! 」

「やりましたね、隊長! 」

「ああ! 」

 ついに、祥観達はネズミの城についた。

 だが、入り口は、どこにも見当たらない。

 しかし、ネズミ娘の隊長は、城の入り方を知っていた。

「そこの天女! 」

「ううん? 」

「壁にある赤い石を四つ押してくれ! 」

「うん! 」

 タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッスダッ!

 カチカチカチカチッ!

 祥観は、壁まで走った後赤い石を四個押した。

 そして、五分が経過した後、八ヶ所のエレベーターが開く。

 グーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ! ティンッ! ドンッ!

「隠しエレベーター? 」

「城を狙われないように設計した装置だ」

「まさか、策士が策にはまるとは」

「ううん、無礼者。とにかく皆のもの、入るぞ! 」

「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 」

 ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ…………スダッスダッスダッスダッスダッスダッスダスダッッ!

ガタンッ! グウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!


 ネズミの城四階。

 ティンッ!

 エレベーターが開いた。

 祥観達の目の前にあるのは、金色の豪華な扉。

「いきなり、入れるのね! 」

 タッタッ! パスパスパスパスパスパスパス…………………………

「ええ? 」

「これは、侵入防止の壁画だ。部屋は、反対側にある。着いてこい! 」

「う、ううん………………」

 祥観達は、隊長を先頭に通路歩いた。

 右左右左左。

 白いライトで照らされる通路を通った先に、筋肉質のネズミ耳の音がショートパンツ一枚の姿で立っていた。

「ひょっとして、あなたもネズミの兵士なの? 」

「少し違う」

「わたし達は、王様ネズミ。女王様の子作りを許されたネズミの獣人だ」

「お、王様ネズミ?! これは、失礼しました! 」

 シユウッ!

「チユウッ! 」

「チユウッチユウッ!!!!!!!!!!!! 」

 ネズミ娘の兵隊は、一斉に頭を下げた。

 どうやら、王様ネズミは偉大な獣人らしい。

「ここに来たと言うことは、何か用件あるだろう? 」

「話してくれ! 」

 スウッ!

「実は、女王様を探しているのです。女王様は、どこにいらっしゃいますか? 」

「女王様なら、他の王様ネズミ達と子作りをしている」

「でしたら、たら連絡は取れますよね? 」

「確かになぁ…………」

「しかし、取れなかったのですよ! 」

「連絡が取れなかった? 」

「ひょっとして? 」

 グウウンッ!

 二人の王様ネズミは、赤い扉を開いた。

 すると、連絡が取れなかった理由が解ったである。

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………………………」

 何と、全裸のネズミの女王が、ベッドの上で大きい腹を抱えながら苦しそうな表情をしていのだ。

「もうすぐ、産まれるか! 」

「これでは、連絡は出来ない! 」

 ガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソガサゴソ…………

「あった! 」

「ううん? 」

 王様ネズミは、後ろを向いた。

 祥観が、ワンショルダーバッグから大きな箱を出したのだ。

 その大きな箱には、ワイヤレスイヤホンのようなイラストが書かれている。

「天女、この道具は何だ? 」

「これは、メアリーイヤホンの徳用。天女吉財前駅の店にあったの。これがあれば、出産準備中でも連絡が出来るよ! 」

「それは、ありがたい! 」

「どういたしまして! 」

 シュゥゥゥ…………

「となると、褒美が必要だなぁ……」

 すると、部屋で休憩していた全裸の王様ネズミが大量の椅子が入ったソファーを持ってきた。

「ここに、10,000,000マギアがある。これを褒美として与えよう」

「ありがとう! 」

「けれど、僕達はもっと褒美が欲しい! 」

「もっと、マギアが欲しいのか? 」

「マギアじゃないよ。駅に戻る方法を教えて欲しいんだ」

「それなら、壁画にある王冠のボタンを押してくれ。一番左のエレベーターが5番乗り場へ送ってくれるぞ」

「ありがとう! 」

「ありがとう!! 」


 子神駅5番乗り場。

 そこのベンチで、ハートが水を飲んで休憩してた。

 その目の前では、祥観が独り言をしている。

「レミングと同じバッグが買えてよかったなぁ。前に持っていたバッグががさばらずに済んだよ。それにしても、ネズミの女王様は、子どもを産むことが出来たのかなぁ…………」

 と、その時。

「急がなくても産まれるよ」

「そうだよね…………うわっ! 」

 ドタンッ!

 祥観が後ろから、レミングに押し倒された。

「何でいきなり? と言うか全裸じゃん! 」

「僕と、今すぐ子どもを作ろう…………女王様よりも多く子どもを作ろう…………」

「ううう……………………」

 物理的にも精神的も重いレミング。

 祥観は、嫌な気持ちなるほど狂愛を感じた。

「さぁ、早く脱ぎなよ」

「ううう……………………」

 押し合う大きな胸。

 その状態で、レミングは自分の性器を掴んだ。

 ぐにゅぐにゅ

「ううん? そんなぁ…………」

 トスッ…………

「ふうぅぅぅぅ…………」

 レミングの重い愛情が落ち着いく。

 それを見た祥観は、安心した気持ちなった。

 しかし、なぜ落ち着いたのだろう?

 それは、レミングが気づいていた。

「まだ、僕は子どもを作れない。変身魔法が使えないからね」

「変身魔法? 」

「そうだよ。変身魔法があれば僕はあれ作れる。そうすれば、子どもが作れるよ」

「あれって! ううん! 」

「その内、解るよ! 」

 祥観の口を咄嗟に押さえたレミングは。

 彼女は、ゆっくりと指を退けて祥観を落ち着かせた。

 そして、麒麟ノ角線がトンネルから現れる。

「もうすぐ、乗れるね」

「う、うん! 」

 キィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッグウンッ!

「ううん! 」

 シィリン……………………タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ……………………

「さぁ、乗りましょう! 」

 


 




 

 




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る