【鳳凰台駅】 ドジっ娘ハーピーのアウトサイド
祥観達三人は、鳳凰台駅にやって来た。
猫天人駅から各駅停車で九つ先の駅である。
祥観達は、今、1番乗り場にいる。
「ここが、鳳凰ノ導線の由来となった駅。今は、三つの路線が交わっている。けれど、駅名は、名残として残った」
「鳳凰ノ導線には、そう言う由来があったのねぇ」
ティンッ!
二人が話していると、エレベーターから誰がやって来た。
背中の緑色の鳥の翼と緑色のボサボサのショートヘアーをした、全裸の女の子だ。
バサバサササッバサバサバサバサササッバサバサ…………バタンッ!
「ううん?! ああ、ハーピーが倒れてる! 祥観、レミング、行きましょう! 」
「あっ、ああ! 」
「早く助けよう! 」
三人は、祥観を先頭にハーピー娘の所にやって来た。
ハーピー娘は、肩から腰にかけて胸のあたり掛けて三本の傷がついている。
「はぁぁぁ………………はぁぁぁ………………はぁぁぁ………………」
「大丈夫? ハーピーさん? 」
「か、鴉天狗にやられたの…………
バタンッ…………………………
「レミング、助けよう! 」
「うーん……………………」
「なんでもない、助ける! 」
レミングは、ハーピー娘の話に何か違和感を感じた。
しかし、助けを求めているのは確かである。
ティンッ!
三人はレミングを先頭にエレベーターで、東方大蛇線へ行った。
ティンッ!
エレベーターが開いた。
「あれ? 何か違う? 」
「乗り場を表す看板が赤いわね! 」
『東方大蛇線のホームに着いた』と思った祥観達。
しかし、やって来たのは鳳凰ノ導線の3番乗り場だった。
「引き返しましょう! 」
と、思ったその時!
カチャッカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャッ!
「あれ? 閉まらない! 」
バサアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
バササササアァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! 」
「かかったわね、娘の作戦に! 」
「ここで、あたし達の餌になりなさい! 」
何と大量のハーピー娘が祥観達の前に現れた。
そして、そのハーピー娘達は、祥観達を袋叩きに使用としている。
そう、なるはずだった。
ガッガッガッガッガッガッ! ズシャァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーンッ!
「ぶふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「ええ? 」
何と、レミングが導線をつくるためにナイフでハーピー娘の頸動脈を切り裂いた。
バタンッ…………………………
「祥観に手を出すな! ハーピー、みんな、殺す! 」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーー……
パアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「何を言っているの? 」
「あたし達ハーピーは、不老不死」
「殺せるわけ無いじゃない! 」
「ハート、バッグ! 」
「ううん? うん! 解った! 祥観、入って! 」
「あ、ああ! 」
ガチャッ!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーー……
ストーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
ハートは、魔法のバッグで安全な所に避難。
その間に、レミングは、バッグを肩から下ろす。
ギリンッギリンッ!
「さあ、一人、いや、二人、いや、全員で、僕を殺し来い! 」
「何、調子に乗っているの? 」
「みんな、一気に行きましょう! 」
バサアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ……
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「せーのっ! 」
「いけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 」
ハーピー娘達は、一斉にレミングに向かって飛んで行った。
しかし、レミングは、両腕で膝抱えて丸くなっている。
「怖いかしら? 」
と、思ったその時!
「大天魔術『邪性開放』」
バサアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「う…………………………」
「ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「ぐうぅ……わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
グウゥッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーンッ………………
レミングが勢いよく立ち上がったことで、ハーピー娘達はみじん切りのようなバラバラ。
それにより、3番乗り場のホームにはたくさん、血の雨が降ってきた。
ボタッ…………ボタッ…………ボタッ…………ボタッ…………ボタッ…………ボタッ……
「出ていいよ、二人共! 」
シュンッシュンッ! ドドンッ!
「お疲れ! レミング! 」
「ええ?! 」
バッグから出た二人。
ハートは、バッグ肩に掛ける。
祥観は、 血で赤く染まったホームに驚いていた。
「どう言うこと? モンスターは、死なないはずじゃないの? 」
「僕、嘘をついてた。邪神は、不死身。大天魔術でのみ殺せる! 祥観、悲しませてごめん! 」
「まぁ、別に泣いてなんなんかないし。とにかく、東方大蛇線のホームを探そう! 」
三人は、祥観を先頭にホームを歩いた。
エレベーターは、使えないと解っているのだろうか?
祥観達は、向かいの階段を上った。
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…………
「ここね! 」
「やっと着いたよ! 」
祥観達三人は、東方大蛇線の3番乗り場に着いた。
ボロボロのハーピー娘がいっていた場所である。
しかし、右の1番乗り場を見ても。
左の5番乗り場を見ても。
キョロキョロキョロキョロ探しても。
鴉天狗はおろか、ハーピーや他のモンスターも見当たらない。
「路線を間違えたのかなぁ? 」
「もう一つの路線に行きましょう。そしたら、見つかるかも」
「ううん……………………」
「レミング、キョロキョロ見てないでさっさと行くわよ! 」
「あ、ああ…………」
三人は、ハートを先頭に階段を上る。
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…………
祥観達は、階段を二階上って三つの路線のホームに着いた。
「よっし、着いた! ここは何の路線のホーム? 」
「麒麟ノ角線の3番乗り場よ。どうやら、この路線にも鴉天狗は、いないようね」
「そう言えば、レミング? 」
「何で、全裸にワンショルダーバッグなの? 」
「ああ、これ、大天魔術の欠点。神殺し級の魔法、使うと全裸になる。だから、大事なバッグ、外す」
「神殺しの魔法って、それくらい威力が高いのねぇ」
「これで、解った。『鴉天狗に襲われた』は、嘘。ハーピー娘、僕達を騙した! これから、ハーピー娘探す! 」
「次は、いたしない程度にね! 」
ハーピー娘の嘘が解ったレミング。
祥観とハートは、レミングを先頭に階段を下った。
トットットットットットットットットットットットットットットットットットットトッ!
「ううん? 」
「うん? 」
「さっそくいた! ハーピー娘! 」
ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ!
「ううっ! ううっ! ううっ! ううっ! ううっ! ううっ! ううっ! 」
祥観達三人は、ハーピー娘を見つけた。
そのハーピー娘は、鳳凰ノ導駅5番乗り場に階段の壁に胸を打つけている。
どうやら、壁の角で被害を偽装していたようだ。
「二人共、待ってて! 」
キュリンッキュン!
レミングは、バッグを下ろしてハーピー娘の所にやって来た。
そして、ハーピー娘のお尻に手を当てる。
「ううん? 」
「よくも騙した、ハーピー娘! 」
「え? バレたの? 」
「邪神とお幸せに! 」
ギュッ!
「大天魔術『
ブジャアッ……ブジュブジュ…………ブオン………………
「ぶおぉぉぉぉぉぉぉ……………………………………………………」
ダタンッタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンッ!
偽装作戦をしていたハーピー娘は、臓器が全て壊された。
そして、ハーピー娘は、鳳凰ノ導線のホームへと転げ落ちた。
「さぁ、行くよ! 祥観ことは、守ったから! 」
「うーん………………」
「やはり、レミングは、怒らせると大変だねぇ」
祥観とハートは、レミングを先頭に5番乗り場へ移動した。
鳳凰ノ導駅5番乗り場。
ザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッザクッ…………
「はぁぐぅ…………むぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐむぐ…………」
階段を駆け下りた祥観とハート。
その後ろで、レミングがハーピー娘の肉を食べていた。
魔力切れだったのだろうか?
顔と胸元は、血で真っ赤に染まっている。
「しばらく、戦えない! 次の敵は任せた! 」
「解った,レミング! 」
「それにしても、あの時計はくるってるね! 」
「どう言うこと? 」
「あたしの腕時計は、もう直ぐ六時。二十四時間制なら十八時だよ。だけど、このホームの時計はもう直ぐ、二十一時だよ。三時間早いね! 」
「そうかしら? 」
ハートは、自分の普通を疑った。
この世界では、普通の時間設定。
しかし、祥観から見たら三時間早いのはあり得ないのだ。
だが、そう考えている時間も長くないのである。
カチカチポチンッ!
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーー………………
ビガァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「うわぁぁぁっ! 」
「何なの? あの光! 」
二十一時になった同時に、5番乗り場の線路の上から赤い光が放たれた。
そして、光は小さくなり、赤い鳥の翼をした爆乳のハーピー娘が現れる。
そのハーピー娘は、黒いショートヘアーと赤いチャイナドレス、をしている。
どうやら、祥観達を騙したハーピー娘とは別のようだ。
「我の名は、鳳凰。この駅に住む神の鳥である。よくぞ、ここまで、たどり着いた。我は、体が鈍っている。一緒に遊ぼうではないか! 」
「ううん、いいわよ! 」
「相手をしてあげる! 」
突然の鳳凰の出現。
それに怯むことなく、祥観とハートはバトルにのぞんだ。
最初に動いたのは、鳳凰。
彼女は、腕組みをして口を開けた。
そして、その口の前に炎の球をつくる。
「フレイムブレスウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! 」
ボオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!
「リフレクト! 」
シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーンッ!
鳳凰の炎は、祥観達を包もうとした。
しかし、バリアにはね返されて風ともに消え去った。
「次だ! フェザーボム! 」
シュンッシュシュンッ! ボンボンボンッ!
鳳凰の羽根の爆弾が、祥観達に襲いかかる。
しかし、バリアによって爆弾は防がれてしまった。
「よおっし! 」
バサンッ!
「ううん? 中堅魔術『ハイリフレクト』」
鳳凰は、翼で体を包む。
それが気になったのだろうか?
ハートは、バリアをさらに強化する。
すると、6番乗り場の方から強い風が吹いてきた。
ビュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「大天魔術『焔ノ奇跡』」
ビュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーンッ!
ブワアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
鳳凰は、爆発魔法で祥観達を巻き込もうとした。
しかし、強い風がバリアにはね返って鳳凰の方へ。
鳳凰は、爆風と共に全裸になりながらホームに叩きつけられた。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………我は、疲れた………………お主ら勝ちとしよう………………」
ピカァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
鳳凰は、赤い光と共に姿を消した。
ビチャッビチャッビチャッビチャッビチャッビチャッビチャッ!
「魔力、全回復! 戦えるぞ! 」
「もう、倒したわよ! ハートのおかげで! 」
「そんな………………」
「けれど、レミングもありがとう! あなたが教えてくれなかったら、あたしはハーピーに殺されてたから」
「ど、どういたしまして! 」
「それ、ハーピー娘の髪の毛だよ」
レミングは、祥観にお礼を言われて照れ顔。
全裸だとは、気づかずに、髪の毛で胸元を拭いた。
そうしているうちに、鳳凰ノ導線が5番乗り場の線路にやって来る。
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