【猫天人駅】 猫さんの愛は強すぎる?

 祥観達三人は、猫天人駅の1番乗り場にやって来た。

 八大黒駅から各駅停車で四つ目の駅である。

 グウウンッ! シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーー…………「やっと着いたあぁぁぁぁぁ…………………………! 」

 鳳凰ノ導線を出てすぐのこと。

 モンスターとのバトルはいきなり始まった。

 ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ…………

 ムギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーー………………………

「アソボウ! アソボウ! 」

「アソボウ! アソボウ! 」

「アソボウ、アソボウ! アソボウ、アソボウ! アソボウ、アソボウ! アソボウ! 」

「ああ! 」

「動けない! 」

 祥観達の足下に、仔猫のモンスターが纏わり付いてきたのだ。

「す、すねこすり? 」

「これじゃあ、進めないよ! 」

「けれど、かわいい…………祥観、槍を振り回して! 」

「ううん? 解った! 」

 ボウォン!

「にゃぁっーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」

 ブウォン! 

「にゃにゃにゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………」

 祥観は、槍を振り回してすねこすりを払う。

 しかし、レミングから見た祥観の行動納得がいかなかった。

(先っぽのナイフ、当たらないように払ってる…………猫さんをもっと可愛しないと………)

 シュパンッ!

「ううん?! 」

 ハートは、レミングの行動を見た。

 太もものバッグからナイフを出している。

「うーん? ええ?! 」

 ハートは、やっとレミングやりたいことが解った。

 そして、レミングは、大きくナイフを振り下ろす。

 ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーンッ!

「ぶにぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー……………………………」

「ハハ、いっぱいアソボウ! 」

 ブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャブシャ…………

 ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーンッ!

 ブシャブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーンッ!

「ぶにぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ…………………………」

 すねこすりは、次々と血達磨に。

 そして、時間が戻るかのようにすねこすりが復活する。

 シユゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

 シユシユゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「アソボウ、アソボウ! 」

「じゃれ合ってアソボウ! 」

 すねこすりは、怒りながらもレミングに近づく。

 レミングも、すねこすりと遊ぶために近づいてく。

「やばい! 」

 ものすごく、危険な遊びを見たハート。

 彼女は、ホームの周辺を見た。

 そして、あるものを見つける。

 それは、ボールが入った籠があるスロープの通路。

 祥観の後ろにあった。

「祥観! ボールをスロープに投げて! 」

「ううん? うん! 解った! 」

 ガサガサッ!

 祥観は、手すりにある籠からボールを取った。

 そして、そのボールをスロープに投げる。

 ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラーーーーーーンッ………………

 ギャラギャラギャラギャラギャラギャラギャラーーーーーーーーーンッ……………………

「うわぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

「ボールだ! ボールだ! 」

「追いかけろ! 」

「うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 」

 ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ!

 すねこすりは、ボールを追いかけてスロープの中へ吸い込まれた。

「ああ、もう終わり………………」

「ううんっ! 」

 すねこすりを殺し続けたレミング。

 その彼女を、ハートが腕組みをしながら見ていた。

 『それを気に反省して欲しい』と。

「じゃあ、次へ行くよ! 」

「あ、ああ! 」

 祥観とレミングは、ハートを先頭に、スロープの反対側にある階段を下った。


 猫天人駅二階。

 次のホームに行けると思った祥観達。

 しかし、着いたのは駅の1番出口だった。

「別のホーム行けないの? 」

「中よりも外にこだわったダンジョン駅だね」

「あれ? 」

「アソボウ、アソボウ! 」

「アソボウ、アソボウ!!! 」

「か、かわいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 」

 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンッ!

「どうしたの? ハート? 」

「見てっ! 」

「ううん? 」

 祥観は、ハートが指差す方を見た。

 小さな鳳凰ノ導線が六両編成で走っている。

 その内の四両には、お風呂に入った猫が一両に一匹ずつ入っている。

「よおしっハグしちゃおう! 」

 ハートが一番前の猫を取ったその時!

「待つんだ! 」

「ええ? 」

 ブブッ! ブオンッ!

 ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーンッ!

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 ハートは、頭上にある魔方陣によって大量のお湯を浴びてしまった。

 そして、頭クラクラになり電車にぶつかるギリギリでぶっ倒れた。

 バタンッ……………………………………………………

「…………………………………………………………………………………………………………」

「遅かった…………」

「どう言うこと? 」

「黒いハチワレ、正しい! だから、危険! 1番出口の所に答えある。間違った猫を取る! 」

「間違い探しね。で、正解の猫は何なの? 」

 レミングは、バッグからメモ帳とペンを出す。

 そして、縦書きで答えを書いた。


 正解の猫


 ア→黒のハチワレ


 ソ→キジトラ


 ボ→三毛猫


 ウ→白猫


「なるほど、この答えと違う猫を取れば、いいんだね! 」

「アソボウ、アソボウ! 」

「間違い探しで、アソボウ! 」

「ああ、一緒に遊んであげるからね。猫さん達! 」

 公園の囲む通路の上で、祥観とレミングの間違い探し遊びが始まった。


 一問目


 ア→正しい


 ソ→


 ボ→


 ウ→


「『ボ』違うね。この子、黒猫だもん」

 祥観は、黒猫を持ち上げた。

 黒猫は三毛猫となり、お風呂戻った。


 二問目


 「これは、『ウ』が違う。黒のブチ模様だもん」

 祥観は、ブチ模様の猫を持ち上げた。

 ブチ模様の猫は白猫になり、お風呂に戻った。


 三問目


「これは、『ア』が違う。キジトラが一匹多いもん」

 祥観は、キジトラを一匹持ち上げた。

 キジトラは黒のハチワレとなり、お風呂に戻った。

 そして、祥観とレミングは、2番出口にやって来た。

「これで、ホームに行けるね! 」

「多分………………」

 祥観とレミングは、2番出口の階段を下った。

 タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…………

 タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ………………

「あれ? 1番出口の戻っちゃった? 」

「そんなことはない」

「ううん? 」

 祥観は、レミングが指差す方を見た。

 看板には、3番出口と書かれている。

 そして、レミングの人差し指は外の通路に移動した。

「どこ行ってたの! 」

 なんと、お湯でやれていたハートが復活していたのである。

「トモダチ、助けたよ! 」

「もっと、アソボウ! 」

「アソボウ、アソボウ! 」

「階段から聞こえるわね! 」

「一緒に行くぞ! 」

「うん! 」

 祥観とハートは、レミングを先頭に駅の中の階段を下った。


 猫天人駅3番乗り場。

 祥観達三人は、このダンジョン駅最も強いモンスターに出会えた。

 白い巨大猫である。

 その猫のモンスターは、これまでの猫がモンスターをしのぐほどのモフモフな毛を纏っている。

 まるで、竜巻飛ばされた布団ように恐ろしい姿だ。

「アソボウ、アソボウ! ずーっと、ずーっと、アソボウ! 」

「やはり、『遊びたい』と言う気持ちは、このダンジョン駅のどれでも一緒なのね」

「肉塊になるまで、遊んであげる」

 ガヅッ! ボワアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーンッ…………

 レミングは、拳同士を打つけた後、黒球を作り出した。

 そして、白い巨大猫に目がけて黒い球を飛ばす。

「中堅魔術『シェーバースフィア』」

 ブユゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーンッ!

「う゛にゃぁっ! 」

 ググググッ……ブシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーンッ!

 白い巨大猫は、黒い球にすり潰された。

 そして、白い巨大猫は、血肉の粒となってホームに散らばる。

 まるで、ドライフラワーのバラのように足下を血で染め上げたのである。

「さすがだよ。レミング! ところで、中堅魔術って、何なの? 」

「中級クラスの魔法。即死ではないが、神とのバトルで使える」

 シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーー………………

 ボォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!

「中堅魔術は、効かないよ! 」

「ううん?! 」

 祥観と話していたレミング。

 魔法を披露して調子に乗っていたのだろうか?

 肉体再生をする白い巨大猫に気づかなかった。

「今度は、こっちから行くよ! ぶにぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

 白い巨大猫の反撃が始まった。

 大きなジャンプで、祥観達に襲いかかる。

「ぶにぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! 」

 モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ……

 モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ……………………

 モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ…………

「ううぅぅぅぅぅぅ…………」

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」

 祥観達三人は、モフモフで被われて苦しい状態。

 今にも、窒息死しそうである。

 すると、レミングの手があるもの触れた。

 クニュクニュクニュクニュクニュクニュ…………

「ううん? 」

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…………」

 クニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュ…………

「ここ、気持ちい! 祥観、触って! 」

「ええ?! こう? 」

 クニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュ…………

「うわっ!気持ちい! 」

 クニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュ…………

「う゛にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」

 ボドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーンッ………………

 大事なところをやられた白い巨大猫。

 彼は、ホームに倒れたまま動けなくなった。

「よおしっ! 猫天人駅クリアね! 」

「てっ、ハートは何もしていないじゃない! 」

「次からは、頑張るわよ! 」

 クニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュクニュ…………

「猫、気持ちい! 」

「レミング。そこ、あたしの髪! 」

 そうしている間に、鳳凰ノ導線が3番乗り場に到着した。

 



 

 


 

 

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