第155話

傭兵ギルドに到着したトキノリとアナスタシアは真っ直ぐに受付に向かった。

「傭兵ギルドにようこそ。お依頼ですか?」

「ギルドマスターと話をしたいのですが・・・」

そう言ってトキノリは領主の証を提示する。

「これは・・・。少しお待ちください」

受付嬢はすぐに奥に向かい戻ってきた。

「ギルドマスターがお会いになるそうです。こちらにどうぞ」

案内されるままトキノリとアナスタシアは奥に向かう。

受付嬢がノックをすると返事はすぐにきた。

「お通ししろ」

受付嬢はそのまま扉を開けて中に入る。

トキノリとアナスタシアもその後に続いた。

「ようこそ。傭兵ギルドへ。領主様自ら来たということは何かありましたかな?」

「宇宙海賊の活動が活発になっていまして・・・」

「なるほど。こちらでも確認しております。席にどうぞ」

トキノリとアナスタシアが席に着いたのを確認すると傭兵ギルドのギルドマスターも向かいに座った。

受付嬢はその間に人数分の紅茶を淹れて下がっていった。

「依頼ということでよろしいでしょうか?」

「話が早くて助かります。戦力が圧倒的に足りていません。協力していただけますか?」

「それは報酬次第ですね」

「報酬に関しては問題ないのじゃ。帝国から補助金も出るはずなのじゃ」

「こちらの方は?」

「エニュー帝国の皇女殿下であるアナスタシア様です」

「これは失礼しました」

「いいのじゃ。それで、戦力はどれぐらい出せるのじゃ?」

「招集はかけますが参加するかどうかは当人達次第です」

「傭兵ギルドは自由を尊重するのでしたね」

トキノリは運送ギルドで仕事をしている時に何度か傭兵ギルドの所属員と仕事をしたことを思い出していた。

傭兵ギルドに所属している人物はピンからキリまで存在している。

自分の命を一番に考えている者から依頼の遂行を第一に考えている者まで様々だ。

「今回は領主様と皇女殿下からのお依頼ですのでこちらでも参加者は厳選させていただきます」

「お心遣いありがとうございます」

ギルドマスターがこういう以上は最低限の仕事は保障されるだろう。

「申し訳ありませんが1人あたり、いくらぐらい必要になるか出していただいても?」

「そうですな・・・。最低でもこれぐらいは頂きたいです」

ギルドマスターはそう言って額を提示してくる。

相場よりは高いがそれでも納得できる範囲だ。

「これでお願いします」

「わかった。すまないが契約書にサインを頼む」

トキノリは契約内容を読んでからサインを入れる。

「今回はご利用いただきありがとうございました。準備が出来た者から星系軍に指示を仰ぐように指示しておきます」

「こちらこそよろしくお願いします」

トキノリとアナスタシアは無事に契約を済ませ傭兵ギルドを後にした。

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