第7話
なんだ、子供の自慢かよ、
と思われるのであれば、他の数十年の私の半生を知って欲しいし
続きを読んで頂きたい。
子供が生まれなければ私は生まれ変わっても絶対に誰にも私の人生は歩ませたくないほど大変だったし貧乏くじばかり引いてた。
全身のアトピー、重い喘息だけでも生まれ変わりたくもない。
親は離婚して家庭の愛もない。
誰と話しても私の話は重い。
世の中には自分以上に不幸な人は沢山いると親や周囲に言われて育ったが、
周りには私以上に大変な子はいなかった。
きょうだいの中でも私が一番大変だったと言っても誰も意を唱えないだろう。
知人の悩み事を聞いていても私の話をすると一瞬で相手は大したことない、と元気になったものだ。
そんな私に子供が出来た。
ところが、生まれた翌日。
小児科医の一言。
「目の中の明かりが見えないんだ。」
はい。
そう。
私の人生上手く行くわけない。
生まれる前に子供の父親と耳が聞こえなくても生きていける。
声が出なくてもなんとかなる。
手足一本どこかかけていてもなんとかなる。
でも、目は見えないと困る、
と、話していたのに。
その目が見えないのかもしれない。
信じたくなかった。
おまけに、望んでた訳ではない子供。
理由は、子供が私のようにアレルギー体質、アトピー、喘息になったら可哀想だから。
それに、私も離婚するだろうから結婚したくなかった。
身体が弱すぎる私の子。
不安で仕方がなかったので子供が生まれるという事実は考えないで臨月を迎えた。
仕事も臨月まで通常どおりフルタイムで続け、休みに入って2週間で予定日より早く生まれた。
子供と一緒に産後5日か7日で退院。
C Section (帝王切開)だったのでこれだけ長く病院に居れられたが、普通は2日位で退院させられるらしい。
さすがアメリカ。
動物と一緒。
その間に小児科医からも小児眼科を紹介されて、退院したその足で小児眼科に行った。
先生の診察。
やはり右目に光が見えない、と。
左目は若干、と。
はい。
先天性白内障だそうでした。
そのままその場でドクターの紹介。
子供専門の眼科医と病院がありそこに電話をしてくれ、手術の説明まで受けた。
早く白内障を除かないと視力が無くなります、と。
どうしますか、と。
えー。。。
出産したばかりなんですけどー
聞いてないんですけどー
産湯のつけ方とかは?
おむつの替え方とかは?
それ以前の問題でした。
選択肢なく勿論手術しなくては目が見えるようになることなく、失明してしまう。
子供の生後10日ほどで手術を受けることになりました。
保険もわからないまま、いくら払うことになるのか不安の中、なんだか周りの大きなうねりのまま手術になりました。
子供、それも赤ちゃんの白内障なんて聞いたことない。
まだiPhoneを持っていなかったので手元でさささと調べることもできず。
不安なまま、
決められたままに病院に向かいました。
生後10日なんて子供を持った方はご存知の通り、親はほぼ寝てない。
記憶では2週間は寝ていないし退院後はまともに食事も出来ていない。
分けの分からないまま病院へ行き、子供の手術。
一晩様子見の為に入院しなくてはならず、子供病院に入院。
私は付き添い。
基本的には白内障ということで、大小の違いはあるが、手術自体は難しくない。
目は超、超小さいけれど。ほぼ閉じてるし。
子供の身体への負担は、麻酔だそうだ。
耳が聞こえなくなるリスクもあったそうだ。
事故で全身不随にもなりえたそうだ。
目のガンで眼球自体を取らなければいけない子供がいる中、まだ目を残せたのは良かったのだろう。
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