またね。
その日、
互いに初めて会ったはずなのに、以前から知り合いでいたかのように。一緒にいて楽しかった。
たくさん笑った。
たくさん駆けた。
おかっぱ頭の女の子は、
ただ、おかっぱ頭の女の子が、
『うん。待ってるよ』って、言ってくれたから。急いで家に帰って。
それから、あわてて裏山に戻った。
早く行かなくっちゃって、焦っていたのだけ、覚えている。
その日は、おかっぱ頭の女の子と少しでも長く一緒に遊んでいたかったから。
なぜだか、明日は、会えないような気がしていたから。
だから、さよならのかわりに
「また、会える?」
おかっぱ頭の女の子は、にこりと笑って答えた。
『
「うん。また、会いたい!」
ふふふ、と笑った顔がかわいくて。
互いに名前を明かしていなかったことに。
それなのに、おかっぱ頭の女の子はどうして、
誰かが呼ぶのを聞いたのかな。
『わたしの名前は……。覚えていてね、そうしたら、また会えるから』
日が暮れて、また雪が降り出した。
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