第5話
「翠華、ねぇ、翠華。俺だけの翠華。おーい、目を覚まして?」
聞き覚えのある声が聞こえた。それも料理してる時に。またなにかぼーっとしていたのだろうか。フライパンを覗けば、焦げたフレンチトーストが、そこにふくれっ面で横たわっている。いかにも焦がしたことを怒っているかのような面構えに見えた。
「なんか、ごめん。」
そう言って焦げたフレンチトーストを皿にあげ、食べてみた。夢見心地な感覚を覚ますために。
案の定、まずかった。
でも、少し夢見心地気分は覚めた。
だけど、またあの感覚が襲ってきた。今度は触られてる感覚だ。これはやばい。逃げなきゃ、夢見心地から覚めなきゃやばい。
そう思って、頑張って抵抗するも虚しく心と躰は夢見心地の中に堕ちていった。
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