二振り 遺伝子レベルで超えられない才能の壁

 勇者クニヤマは木剣エガグリを聖剣エガングリオンへと進化させる。

 サキは肉棒楼に触れると肉剣カワカミというものが出せる。


 サキはクニヤマと意気投合し、一緒に冒険する。矛盾神パラドックスへと通じる道を踏破していく。自分達の歩幅で。舞うように。


 矛盾神パラドックスは熱量と尻の部屋という特殊な異空間にいて、そこには右天使ズリーナ、左天使シコリーナ、ウルトラマンコスミス。の他にナイチンゲール・プリケツシア、チンギスハン・ナタリア、エルピス・ズリネタリア、ライジングインパクト・シャイニングロードなどもいる。

それぞれ神や天使に近しい存在だ。そしてサキとクニヤマはそこへ到達し、神の試練なるものを受ける。右天使ズリーナと左天使シコリーナを倒し、中央神ウルトラマンコスミスに挑むというラヴォス戦のようなものだ。そしてそれを見事乗り越えた二人は、神としての資格を得る。サキは両性神サキに、クニヤマは英雄神クニヤマにそれぞれランクアップする。

ちなみにチンギスハン・ナタリアは三眼神、ナイチンゲール・プリケツシアは世界神、エルピス・ズリネタリアは次元神、ライジングインパクト・シャイニングロードは太陽神という位置付けになっている。エルピス・ズリネタリアと勇者エルピスは似ているが別人だ。勇者エルピスの方はエルピス・インフィガールという。


「エルピスとパンドラ?」

「ああ、恐らく次に大矛盾を起こすのはこいつらだ。希望と絶望。勇者と魔王。田舎と都会」

「そんなに凄い子らに見えないけど……」

「いや、アイツらの潜在能力は侮れない。修行次第では私やサキを超えるかもな」

 パラドックスはやたら二人を買うが、サキには二人がそれほどの人物には思えない。

「アイツらは私の最高のヒーローだ。アイツらと私達とでは遺伝子レベルで超えられない才能の壁がある」

「買い過ぎでは?」

「酔い過ぎかもな。酒は控えよう」

 そう言いパラドックスはノンアル飲料をチビチビ飲む。そしておしっこをチビり、矛盾世界を湿らせていく。この湿度の正体が、おしっこだとしたら。

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