流転の矛盾世界

原寛貴

一振り フタナリのエルフ

「行くぞ魔王パンドラ‼」

「来い勇者エルピス‼」

「田舎矛盾斬‼」

「都会矛盾斬‼」

 勇者エルピス〇

 魔王パンドラ●


「よし、行こうかモモコさん」

「はい♡」

 勇者エルピスはモモコという女性と旅を続ける。


「よし、行くかサディコ」

「はい♡」

 魔王パンドラはサディコという少女と旅を続ける。


 勇者エルピスは炎剣カカシを持っている。

 モモコは腹に男の子を宿しており、身体刀剣化できる妊剣モモコだ。

 魔王パンドラは風剣サカガミを持っている。

 サディコは癒やしを求め療剣ナイチンゲールを手に入れた。


 炎剣カカシにエルピスの全身全霊をリライトすると聖剣エクスカリバーとなり、

 風剣サカガミにパンドラの全身全霊をリライトすると魔剣グラムとなる。


「ふんふーん♪」

 フタナリのエルフサキは上機嫌に舞うように歩く。サキは男性との交尾中に大矛盾を受けたため、その男性が肉棒楼になったという理屈だ。つまり下黒の決壊師という訳だ。オナベがイエロウという事情だ。しかし、股間にナニがあるというのは、恐らく全女性の願望だろう。女性の美しさ特権を保持したまま、男性の最大の利点を取れるというのは極上ではないか。つまり、フタナリのエルフこそが全人類の夢であり理想形なのだ。つまり、川上真樹さんのやっていることこそが、神の代行といっても差し支えない。ロマンの塊、ワクワクの集合体なのだ。

「いや、さすがに言い過ぎじゃない?」

 地の文を訝しむメタビジョンなサキだが、お前は舞うように歩き続けていればいいのだ。一登場人物に神の采配を侵すことは叶わない。神には敵わない。そしてこの世界の神とは

「矛盾神パラドックス‼」

 であり、そいつに会うためにサキは歩を進める。舞うように。

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