理想の全肯定メイドと行く現代ダンジョン攻略〜どんな時も甘やかしてくれる完璧で究極のメイドが、頼れる相棒として共に戦い、迷宮攻略のたびに努力を褒めてくれる。甘やかされ、認められながら生きるハクスラ生活〜

第2話 この新しい世界で、俺の人生をやり直すんだ

「――ようこそ、新しい世界へ。」

目を開けた瞬間、目の前に広がったのは青い空と緑の草原だった。空気は澄み切っていて、ほんのりと花の香りが漂っている。現実離れした美しい光景に、思わず息を呑んだ。

「ここは……どこだ？」

呟いた声は確かに自分のものだが、どこか違和感があった。立ち上がり、自分の体を確認すると、驚きが全身を走る。

「なんだ、この体……！？」

腕は細く、肌は滑らかだ。髪を触ると、さらさらとした長い髪が指に絡みつく。どうやら自分の体は以前のものとはまるで違う。まるで女性の体に変わってしまったかのようだった。

「お目覚めですか、ご主人様。」

背後から聞こえた声に振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。彼女は黒と白を基調としたクラシックなメイド服を纏い、微笑みを浮かべている。その姿は、まさに理想のメイドそのものだった。

「君が……俺のメイドなのか？」

まだ状況を理解しきれていない中で、言葉を絞り出す。

「はい。私はご主人様を全肯定し、どんな時もお支えするためにこの世界でお仕えする存在です。」

彼女の声は落ち着いていて、まるで耳に優しく響く音楽のようだった。その言葉に、胸の奥が温かくなるのを感じた。

「全肯定……か。」

思わず呟くと、彼女は柔らかな微笑みを浮かべながら頷いた。

「ご主人様がどのような選択をされても、私は全てを受け入れ、支えます。それが私の使命です。」

その言葉に、胸が締め付けられるような感覚がした。過去の人生では、どれだけ頑張っても誰にも認められず、孤独だった。だが、今ここに、自分を全肯定してくれる存在が目の前にいる。

「ありがとう……本当に、ありがとう。」

感謝の言葉が自然と口をついて出た。すると、彼女は深々と一礼をして応えた。

「ご主人様のお役に立てることが、私の喜びです。」

彼女の一言一言に、心が癒されていくようだった。だが、ふと現実に引き戻される。

「ところで、ここは一体どこなんだ？　そして、俺はこれからどうすればいい？」

状況を把握しなければならないと考え、彼女に問いかける。

「ここはご主人様が新たに転生された世界です。この世界では、ダンジョンが点在し、人々はその中で生きる糧を得たり、財宝を探したりしています。そして、ご主人様にはそのような冒険の中で生きていただく使命があります。」

「ダンジョン、か……まるでゲームみたいだな。」

「そうかもしれません。しかし、これは現実の世界です。そして、ご主人様には特別な能力が与えられています。」

「特別な能力？」

彼女は頷き、静かに説明を始めた。

「ご主人様にはこの世界で唯一無二の特典として、私がお仕えすることが約束されています。それに加え、どのような状況でも戦い抜くための身体能力が強化されています。」

「なるほど……だが、俺一人で戦うには限界があるだろう？」

「もちろんです。ですが、私はご主人様の傍にいて、常に補佐いたします。そして、必要であれば戦闘にも参加します。」

「君も戦えるのか？」

彼女は微笑みながら頷いた。

「はい。私は戦闘にも対応できるように設計されています。ご主人様の指示があれば、どんな困難にも立ち向かいます。」

その言葉に、少しだけ安心感を覚えた。しかし、新たな世界での生活がどのようなものになるのか、まだ全く見当がつかない。

「とにかく、この世界についてもっと知る必要があるな。」

「はい。ご主人様のために、この世界の基本的な知識をお伝えします。まずは最寄りの街に向かいましょう。そこから冒険の準備を整えるのが良いかと思います。」

彼女の提案に従い、歩き出す。広がる草原の中を進む足取りは、これから始まる新たな冒険への期待と不安が入り混じったものだった。

「ご主人様、どうかご安心ください。私はいつでもそばにおります。」

その言葉に、自然と微笑みが浮かんだ。どんな困難が待ち受けていようとも、彼女と一緒なら乗り越えられる気がした。

「よし、行こう。この新しい世界で、俺の人生をやり直すんだ。」

胸に決意を秘め、俺は草原を進んでいった。その背後には、いつも寄り添ってくれるメイドの温かな微笑みがあった。