第四章

ヒューヒュー


ザッザッザッザッザッザ   


人形は歩く。


アッ


人形はリサイクルショップを見つけた。


懐かしい景色。昔のことを思い出す。


タッタッタッタッタ


人形は前に寝そべる。


そう・・ここは昔大家族に買われた店…


「これは何だ?」


店の主人が見つけて中に入れてもらう。


チリンチリン


店に一人の若い女性が入ってくる。


女性はチェリー・リーリーを指さし言った。


「かわいい人形ね・・」


そしてチェリー・リーリーを持ち上げて、会計を済ませ店を出た。


「私はリカよ」


タッタッタッタッ


「ママ!そのお人形どうしたの?かわいい!」


部屋から娘のリリーが走ってきた。


リカはチェリー・リーリーを気に入りリリーよりかわいがるようになった。


さみしくなったリリーは人形を痛めつけた。毎晩チェリー・リーリーのところに来ては床にたたきつけとうとう腕は外れてしまった。


「あっ」


このままにしていたらリカに怒られると思ったリリーは急いでタンスに人形を隠した。


しかし翌日リリーがなかなか起きてこないことを心配になったリカが見に行くとリリーは冷たくなっていた。


リリーを失ったリカはより一層仕事に打ち込むようになった。


そんなある日タレントの大事なものを紹介する番組があり、リカはチェリー・リーリーを持って行った。


しかしそれが街を大恐慌に堕とすきっかけとなることはこの時は誰も知らなかった。


苦しいっ・・・・・


リカは仕事中に発作を起こして倒れ、そのまま帰らぬ人となった。


しばらくたったある日、リカの遺品オークションが行われた。


そこでチェリー・リーリーも売られた。


人形はあるアイドルグループのリーダーに買われた。


しかしそのリーダーも半年もたたないうちに事故でこの世を去った。


そして一通りグループのメンバー10人の手に渡ったが二年ほどで全員は死に絶えた。


グループのメンバーがたて続けにみな亡くなったことについてはニュースで長く取り上げられたが原因は不明として終わった。


次は最後にこの世を去ったメンバーの母にも人形は渡ったがその母まで病に倒れ帰らぬ人となった。そのあとも何人ものタレントの間を廻るも全員死に絶えた。


そしてニュースキャスターはあることに気が付いた。


そう……タレントがこの世を去ったとき必ず遺品の中に人形が入っていることに…


次の日ニュースキャスターは分かったことを報道した。


それを聞いた記者は白地図に死んだタレントの家を表す点をつけつないだ。


あなたも


確かにそこにはそう書いてあるように見えた。


記者はこの世を去った。同僚によるとその日、記者から電話がありこのことを聞いたそうだ。


同僚はニュースキャスターに電話の事を伝えすぐにニュースになった。


それを知った街に人はみな震撼した。

チェリーリーリーを知ったものはみな話を派生させた。

インターネットにあげるものもいれば、本にするものもいる。

しかしその話はすべて内容が少しづつ違っていた。

どれも恐ろしいチェリーリーリーの話が蔓延した街は大恐慌に陥った。



 ……

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