「運命掲示板:正解どっちだよ⁉︎」
ルーメン
第1話:選択が開く扉
1. 見慣れない掲示板
「人生、こんなもんか…」
駅のホームでスマホを眺める翔は、忙しなく行き交う人々を横目に虚無感を覚えていた。仕事は退屈、夢もない。充実感など欠片も感じられない。
何気なく画面をスワイプする指が、突然の違和感で止まった。
見慣れないアプリがそこにあった――「運命掲示板」。
「運命?また広告か何かか?」
だが、アイコンをタップする指は止まらなかった。アプリが開くと、暗い背景にシンプルな掲示板のスレッド一覧が並ぶ。
一つだけ、異様に目立つスレッドが翔の目を引いた。
「あなたの選択が未来を変える――」
スレッドを開くと、淡々とした内容が表示された。
スレッド内容:
あなたの選択が一つの村を救います。
どの行動を選びますか?
選択肢:
1. 村人に武器を与え戦わせる
2. 獣を避ける安全な場所を教える
3. 何もしない
「村?獣?意味わからん…でも選べってことか。」
ゲームのような感覚で、翔は「2. 獣を避ける安全な場所を教える」をタップした。その瞬間――スマホが振動を始め、画面が真っ白に染まる。
ピッ…ピッ…ギュオォンッ!
耳をつんざく轟音と共に、全身が吸い込まれる感覚。
2. 異世界の目覚め
「うっ…」
翔が目を覚ましたのは、見たこともない風景の中だった。地面には湿った草の匂いが漂い、木々の隙間から漏れる柔らかな陽光が視界を彩る。背中に触れる土のひんやりした感触が、全てが現実だと告げていた。
「え?なんだここ…会社じゃない?」
混乱する中、ポケットの中のスマホが震えた。画面を見ると、掲示板が新たなスレッドを表示していた。
選択が確定しました。村人たちは襲撃を避けることに成功しました。次のスレッドが解放されます。
「な、なんだこれ…」
震える手でスマホを持ちながら、翔は異世界に迷い込んだことを徐々に理解し始める。そして遠くから漂う煙の匂いと、ざわつく風が伝える危機感。
「村…助けるって、どういうことだよ?」
3. 初めての選択の結果
手探りで森を抜けた翔が見たのは、小さな村だった。家々の屋根はどこか古びており、遠くには子供たちの泣き声が聞こえる。
一人の老人が翔に近づいてきた。顔は痩せこけていたが、その目は深い感謝をたたえていた。
「あなたが…我々を助けてくださった方ですか?お告げに従って避難したおかげで、命を救われました。」
「助けたって…いや、俺はただ…」
戸惑う翔のポケットでスマホが再び震えた。画面には、さらなる通知が表示されていた。
カルマ +10
あなたの選択がこの世界に影響を与えました。さらなる選択を行ってください。
そして次のスレッドが現れる。
スレッド更新:
「村の食料不足を解決する方法を選択してください」
翔は画面を見つめる。これがただの夢やゲームではなく、現実であることを理解し始めていた。
4. 次なる選択肢
新たに提示された選択肢は、村を救う方法を翔に迫るものだった。
スレッド内容:
村には十分な食料がありません。解決策を選んでください。
選択肢:
1. 森で新たな食材を採取する(危険度: 中)
2. 隣の村に交渉し食料を分けてもらう(カルマ変動)
3. 村の貯蔵を使い切る(カルマ低下)
「危険って…どういう意味だよ。」
翔は選択肢を睨む。自分の選択がこの村の命運を左右することを、嫌でも実感し始めていた。
頭上から聞こえる風の音が耳を叩く。どこからか漂ってくる腐りかけた木の匂いが鼻をつく中、翔は静かに深呼吸をし、決断の瞬間に備えた。
「やるしかないだろ…ここで逃げたら、何も変えられない。」
スマホの画面に触れたその瞬間、選択肢が確定し、掲示板に新たな指示が表示された。
選択が確定しました。物語が進行します――
翔は再び足を踏み出した。掲示板と共に、この異世界で生き抜く覚悟を決めて。
次の更新予定
「運命掲示板:正解どっちだよ⁉︎」 ルーメン @Lumens
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