第7話

梨花は参道で目を覚ました。

わたしは……なぜ夢で奴瘉になっていたのだろうか……わたしは死んだんじゃなかったの?

美明の優しい微笑みに梨花は夢の恐怖の気持ちから開放される。

「美明,わたし。どうしで生きてるの?わたしの記憶だと、社で獣に食べられたんだけど。」 

梨花が矢継ぎ早に経緯を話す。

「まだだよ。でも。もう少しだった。」

美明の言葉の意味は一瞬分からなかったが気がついた。

「美明の…力?」

梨花の質問には答えず,美明は言った。

「社に入ってみようよ」

次の瞬間発せられた美明の言葉に梨花は震撼する。

先程まで感じられた安心感が消える気がした。

梨花は社に入る。全く戸惑う様子もなく一人中へと入って行く。

キャー――――――――――――

梨花は悲鳴を上げながら闇の中へと堕ちていく。

「梨花!?」

美明は社へと入ってゆく。

しかし

一瞬何が起きたのか分からなかった。

体が落ちてゆく感覚がして、周りを限りない暗闇と静寂が支配する。

隣で,声がした。

「梨花、間に合わなかった。助けられなかった。私たちこれから食べられる…」

返事するまもなくどんどん下へと堕ちた。


太郎と沙優は子供たちを引き連れ社の中へとはいる。

狂気に満ちた数十個の瞳が暗闇で光る。

皆が中に入った刹那、

神殿には数々の悲鳴が木霊する。

そして誰もいなくなった神域に静寂が戻る。

 

 

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