第4話
許さない…許さない…あいつだけは絶対許さない
太郎は呟く。
そうだ…呪おう…
太郎は友人の次郎に酷い裏切りをされ塞ぎ込んでいた。
憎い。あいつが憎い…
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い
カチカチカチカチカチカチ
太郎はパソコンでネットショップを開き、
「藁人形」
と入力する
「呪いセット」
そう書かれた藁人形を見つけた。
その人形破格だった。
下まで見ても,さらに安い人形はなかったため,その安い藁人形を購入し、太郎は意気揚々と眠りについた。
サイトの下に
「呪い返しは一切補償致しません」
と書かれていることにも気づかずに。。
A氏「わたしはこの藁人形を使ってから体調がずっと悪い。これは呪い。ぜったいにこれを買わないで。」
B氏「危険です!この藁人形を買わないでください!」
その頃,テレビでも,この藁人形セットは本当の呪いだと問題視されていた
届いた!やっと藁人形が届いた……
太郎は儀式の手順をパソコンで検索する。
呪いの代償?…………まぁいいや……
太郎はおかしくなっていた。
彼を裏切った友人を恨み,友人に、殺意を覚えていた。
そして真夜中、太郎は邪々神山に登った。
太郎は藁人形を大木へ打ち付ける。
丑三つ時の山々にの高い音が響き渡る。
カーンカーンカーンカーンカーン
頭が痛い…ズキズキする…
呪いの代償か……
僕はそんなの信じていなかった……許さない……次郎だけでなく……全世界が……憎い…………そうだ……また呪おう……
太郎はパソコンの画面を開き、世界を巻き添えにする方法を考える。
あっ……地元に伝わる禁じられた唄をネットに投下しよう……そして僕も歌おう……もう呪い返しの苦しみから…解放されたい……
太郎は唄をネットに投稿した。
そして自らも口ずさむ。
あ……そうだ……最後に一言歌ってはならないと書こう……そして最後に、歌った奴を……どん底に突き落としてやる……
「この唄を口ずさむと」
激しく一階の玄関を誰かがノックする。
「はーい……ちょっとまってください……」
太郎は一度投稿し,また後で更新しようと思い,パソコンの手を止め、一階に降りた。
覗き穴を覗き込む。
ワァアっ…!
急にノック音が止み、背後を振り返るとそこには
覗き穴に映っていた異形の女が佇んでいた。
真っ白な体、……吸い込まれるような漆黒の目とポッカリと開いた口……
太郎は女を擦り抜け階段を急いで駆け上がる。
背後からは女が追いかけてくる。
まって……今階段3階分以上登ったよな……うちは二階建てだし……どこまで続くんだ……?
そう考えた瞬間太郎は気を失った。
ふと気がつくと太郎は神社の木の影に佇んでいる。
階下からは数十人の光に包まれた人々が登ってきた。
その光の一人は参道に転がる女性を抱き上げ,神殿に放り込む。
ギャーーー
神殿の中から女性の叫び声が響く。
太郎の耳に,キーンと彼女の声が残った。
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