天使たちの牢獄に来てしまった田中の話。
塩田 うで
第1話「天界に落ちた田中」
みなさんはご存知であろうか。
天使と悪魔の存在を
そして貴方は、その存在を信じていますか?
……そうですか。
ですが、きっとそれは人間が作り出した妄想に過ぎないものですよ。
まぁそう思ってしまう私も、私が「そいつらは居ない」と思い込んでしまっているだけなのかもしれませんがね。
──
ある日僕はまた明日を迎えた。
瞼で暗くなっていた辺りが明るく照らされた。
「……ぇ」
目の前に繰り広げられた世界はとても美しく昨日の夜まで居た自室とはとても似つかない景色だった。
ここはどこなのか?
まるで人間が住み着いているゴミみたいな世界では無いようだ。
少し辺りを見てみる。
花は、太陽の光を浴びて嬉しそうに黄金の花弁を揺らしていた。
草は、柔らかく緑のみで茶色のような枯れた色は見つからなくどれもまるで今生まれてきたかのように綺麗な色をしていた。
空は、何となく前よりも近いような気がする。それに青く澄んでいてまるで絵に描いたようなとても美しい空だった。
だが、そんな美しい世界には人らしきもの、いや生物らしいものが見当たらなかった。
少し時間が経ちやっと目が冴えてきた。
「それにしても虫もいない気がするし、こんな生物が居ない場所なんて日本にあったっけ?」
不思議に思ったがここから進むしか選択肢はないだろうと思い少し歩みを進めてみた。
すると、
ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!ブー!
辺り一面にどこからもなくブザー音が鳴り響いた。
「なにこれ?!」
こんなうるさい音今までに聞いたことがない。耳に手を当てなければ鼓膜が破裂しそうだ。
とても苦しくて目を瞑っていたら何処からか声が聞こえた。
「そこにいるのは誰だ!!」
天使たちの牢獄に来てしまった田中の話。 塩田 うで @shioda_ube
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