意識が戻ったとき、アルドはどこか知らない場所にいた。身体に痛みは感じられず、周囲を見回すと、そこはまるで夢の中のような風景が広がっていた。

洞窟のようにも思えるが、天井は明らかに不自然な色をしており、地形は奇妙で、遠くには浮遊する島々のようが見える。まるで別の世界に来たかのようだった。

「ここはどこだ……？」アルドは呟きながら立ち上がり、周囲を歩き始めた。だが、現実感が一切なく、自分がどこにいるのか理解できなかった。

その時、聞き慣れない声が響いた。

「あら？　こんなところに人間がいるだなんてどういうことかしら？　こちらは次元の間、異世界の入り口みたいなところよ」

振り返ると、黒髪の美女が立っていた。エスティアというその女性は、愉快そうに笑いながらアルドを見ていた。

「まるでオンラインゲームの世界みたいね。この不自然な地形はインスタンスダンジョンを彷彿とさせるわね」

彼女は言ったが、アルドにはその意味がわからず、ただ不思議に思うばかりだった。

エスティアはこの場所のことを説明し始めた。彼女が次元を渡る能力を持っていて、魔法に長けていること、更にはアルドがここにいるのは、何者かの強大な力によって引きずり込まれたということも示唆した。

「あなたが街を離れたことで、ある人が壊れてしまったのかもしれないわ。」

エスティアが言うと、アルドの心にアイリアの顔が浮かんだ。

エスティアと話すうちに、アルドはこの異世界を探索しながら、アイリアの状況を理解しようと決意した。二人はこの不思議な世界を進み始めた。エスティアが時折何かとオンラインゲームだのダンジョンだのと言うが、アルドにはその意味が理解できずにいた。

アルドは、別の世界から来た者の特徴なんだろうと無理やり納得させることにした。

時間の感覚があやふやの中、アルドとエスティアはエルを見つけた。

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