ガルン爺ちゃんのお店

「お兄ちゃん!こっち!こっち!」


チコちゃんに手を引っ張られ町を行くと道行く人達に声を掛けられる


「チコちゃん!道案内かい?偉いねぇ」

「チコちゃん!後でお菓子あげるよ」

「チコちゃん!爺さんが顔を見たいって!来ておくれ」


っとまぁ!人気者ですなぁ~

ニコニコして元気に挨拶してるチコちゃんは天使ちゃんだね♪

手を繋いでると爺様やオジサマが俺を睨んで見るから怖い怖い!

ヤキモチですか!フン!今は俺の担当だからな!ロリコンじゃナイカラネ┅


そうでは無い!

ボロボロ姿の娘と一緒だからだよ!

睨んでるじゃ無くて破れ服からおっぱい見れるかも?とかだしぃ!

やっぱ髪の毛長いのが原因なのかな?



『無自覚┅┅┅┅』



「ガルン爺ちゃん!お客さんだよぉ~!」

「なんだチコか┅客?」

「初めまして!ショウと言います、冒険者を始めたばかりでこの格好ですからチコちゃんが良い店を紹介すると┅┅」

「┅┅冒険者か┅それで?男か女かハッキリしろ!」

「男です!」

「フン!坊主か┅しかし細いな?」

「これでも鍛練して鍛えてるんですが?」


「チコの世話ならしょうがねぇ、防具は動き易いのが良いだろう、道具は何を使うんだ?」

「剣です!片手剣が良いですね、防具は革製かな┅┅」

「革かぁ良いのは品切れだ┅」

「あのぉ?ワイバーンの革とかは良いのが作れますよね?」

「ワイバーンだと?そりゃ有れば極上品を作ってやらぁ!しかしそんなの滅多に出ないぞ」

「実は3日後に解体が済みます、素材持ち込みでも良いですか?」

「┅┅そのワイバーンは坊主が仕留めたのか?」

「ええ┅┅他にも2匹まだここに眠ってますけど」


「ガッハッハ!驚いたな!だったら3日後に革を持って来い!良いのを作ってやる」

「ローブもお願い出来ますか?」

「ローブに防具も作ってやるぞ」

「じゃあその時にチコちゃんの分も良いですか?」

「チコのか?ワイバーンでなら物理攻撃に魔法攻撃の防御付きだ

チコには良いかもな┅┅ククク承知した!」


このドワーフ職人のガルン爺さんは偏屈だが良いヒトみたいだ

ワイバーンの品が出来る迄の防具を揃えてくれた

それに何と言ってもドワーフ職人!期待しか無いぞ!フッフフン♪


それからチコちゃんに案内されて服を買って宿へ戻った


「チコちゃんありがとう!服も買えたしガルンさんに会えたのは良かったよ」

「アハハ♪お兄ちゃんはお客さんだけどなんか違うからぁ~早く服を着替えてねぇ~」

「風呂に入って綺麗にしてからだね」


夕食迄の時間にひょんな事から手に入れたマジックバッグ6個の整理

冒険者のが2つと商人のが4つ

既に死んでるから登録は簡単に解除出来た


冒険者のはお金が少々と干し肉とかあまり良いのはなかった

大きさも10m×10mの大きさで、これは普段使いには無理だな┅┅

商人のはどれもかなりの物が入ってた

大きさも100×100と大きい

こっちを普段使いにする事にした


各々の中身はお金がかなり┅┅

白金貨が50枚に金貨が300枚以上と銀貨も500枚近くあった

それに宝石類とアクセサリー等┅┅

合計したらビックリ!白金貨が200枚以上って!

あれは奴隷商人だったのか?

そう言えば女性が多かったし┅┅

服も女性物が沢山有った


訳のわからない書類の中に奴隷売買の契約書が有った

他は領収書とか土地取引かな?

捨てるの躊躇われて冒険者のバッグに纏めていれておいた


お金とかは気持ち悪いから商業ギルドの口座にいれとこう┅┅気が咎める


冒険者のバッグから弓と矢に剣が数本出た、弓はまぁまぁの奴で業物だったね~♪

剣も1本だけ良いのが有った!

ミスリルソード!これは良い!


他はガルンさんに渡そうかな

イヤイヤ!これは潰して使えるから┅


それから暇だから部屋着を作ろうと布地を出してタオル地のパジャマ?

スエット上下を作ってみた

上衣はパーカーとして残った布地でチコちゃん様にピンクのジャージ上下を縫ってたら食事だと呼ばれた


料理は評判通り美味しくてそれなりに豪華だったのは嬉しかったねぇ♪


「チコちゃん!これプレゼントだよぉ~今日は色々とお世話になったからねぇ~気に入ると良いけど」

「うわぁ!モコモコ♪ありがとうお兄ちゃん!着替えて来るねぇ~♪」


サッと奥へ走りしばらくしてから出て来た、すると従業員やお客さんから凄い声が!


「まぁ!カワイイ!」

「何よそれぇ!凄くカワイイわぁ!」

「モコモコの服って!凄い!」


確かにカワイイ!それとサイズ大きめだがそれが一層に可愛くしてる


「お兄ちゃん!これ凄くフワフワで着心地最高!でも変わってるね?」

「アハハ♪それは寝る時とか部屋で着る物だよ、でも普段着でも良いかもねぇ~」

「このフード!これが良いね?チコこの服大好き!ありがとう!チュッ♪」


おお!ホッペにチュッされた!

ホントにチコちゃんは可愛い!妹みたいだあぁ♪


「ショウさんありがとう!こんな良い物を、チコも大喜びよ、それにしてもこの生地は素晴らしいわね?」

「ハハハ、まだ沢山持ってますからね、これでも裁縫得意なんです

自分用も同じ様に作ってますよ」

「そう┅┅でも気になるわ┅この生地はこの辺りじゃ見ないし、光沢も綺麗」

「それは魔物の毛から糸を作り生地にした物です、ファングシープって言う魔物の毛はモコモコで柔らかいですからタオルとかにもなります」

(本当はブラッディシープなんだけどね、これも多くてどうしたものか┅)


「ファングシープ!そんな高級品を!

駄目です!ああ!知らなかったとは言えチコにそんな高価な物を!」

「イエイエ!沢山有りますから!気にしないで下さい、それにチコちゃんも気に入ってる様です

何より似合ってますからね~♪

あれはピンクですが白のも作ろうかな」

「イエイエ!あれで十分ですって!もう!あの1着を買うなら金貨50枚はしますからね!辞めて下さい!」

「そんなに?でもお金の事は考え無いで下さいよ?あれは世話になったお礼ですから」


似合ってるから良いのだ!

う~んカワイイからねぇ~♪

やっぱ白も作ろう!



女将のサリナさんは元冒険者らしく魔物に詳しかった

旦那さんは既に亡くなって独り身┅

36歳だが美しさで20代にしか見えない

スタイルも抜群でこの世界の女性はみんな美人ばかりだとつくづく思う


部屋に戻り明日からの冒険者活動の為にステータスを決めよう

とは言え既にギルドへ届けたからそう変えられない

動かすのはスキルだが?


でもなぁ┅そうだ!隠蔽して置けば良いか?

本来のステータスは隠蔽じゃ無いよね?イシスさ~んお願い!


『主のステータス本体は隠蔽ではありません 現在のステータスが主その物のステータスなのです

表記されるのは確かめる為の一覧表にしか過ぎません

本来のステータスは主の中に御座います故制限されない限り使用中となります』


「そうなんだ、じゃあこのボードは隠蔽出来るから使えるスキルとかにしとけば安全だね」


『主が必要と思われるスキル等を表記すれば本来のステータスを制限しても使えます

隠蔽スキルはMAXなのでこの国では見破る事は不可能でしょう』


「それなら隠蔽前提で俺が必要とするのを表記してあの能力を制限してしまおう、あれは使うと駄目な奴だから」


『そうですね 余計な事にならない為にはそれが良いでしょう

ですがよ~く考えて配分して下さい

弱いと痛い目に逢うのは主ですから

幾ら死なない体と魂でも痛さは感じますからね』


「えっ?痛覚無効とかあったよね?」


『はい しかし現在のステータスにはありません ですからよ~く考えろと申しました』


くそっ!そんなの早く言えっての!

しかしそうなるとかなりの能力を移さないと駄目なのか?


『能力値の設定も出来ますので低めにすれば痛い目に逢いますが成長すれば宜しいかと』


グヌヌ┅スキルレベルを1とかに設定して欲しいスキルを移しとけってか?

使えるけど弱いから強い敵には敵わない設定ねぇ┅┅苦労しろってか!


しかしなぁ┅俺が目指す冒険者ってのは成長して行く事で自分自身を磨く事なんだよなぁ┅┅

本来のステータスはチートもチートだから無双状態┅┅

それは違うんじゃ無いか?

物語の様な魔王とか極悪非道な国とか無いんだ

この大陸自体は平和で戦争も無い状況で馬鹿みたいなチート能力は必要無いよな


よし!決めた!何もしないで素のままで行く!

今のステータスは冒険者Dクラス!

説明ではスキル獲得とかレベルアップとかするらしいからそれで良い


この星に害する存在が現れたら考えれば良い事だ


「イシスさんや?能力はこのままで行くよ、成長して行けばレベルも上がるしスキルも獲得するんだろ?」


『ええ┅┅基本的に所持してるステータスボードに有る物が全てです

主の現在値は冒険者としては初心者並み しかしながら成長する事を実感するのは良い事でしょう』


「ああ、俺は転生してから自分自身で強くなったとは思っていないんだ

神様からの加護やお世話で勝手に強くなっただけで実感なんて無い

せっかく第2の人生を生きるならズルとか無しで成長してこの世界の人として生きたいよ

前世の様なボッチ生活より誰とでも仲良くなって楽しく生きられたらと思ってる

それには努力や勉強をして誠実にならないとだよ」


『┅┅主の好きに生きれば宜しいかと

ですが危険な事は出来れば為さらない様に 思慮深く行動して下さい 』

「了解!」


なんだかんだと言ってもイシスは心配性なんだから~♪

そんなの解ってます!この力じゃあの森では即死だもんな

でもこの辺りでは十分戦えるよ

早くDクラスち昇格してダンジョンにも挑戦したいからな


残した能力は【錬金術】【裁縫】【鑑定】【アイテムBOX】【ミラクルマジックバッグ】これは今現在必要だから残した

マジックバッグは普通に使えるけど時間停止じゃ無いから上手く使わないと


名前 ショウ 年齢 20歳 種族 ヒト族

職業 冒険者 レベル 12

HP 300 MP 800 体力 300 器用 5

運 8

スキル 風属性魔法 3 剣術 3

体術 2 弓術 2 生活魔法 3 裁縫 5

料理 5 〖鑑定〗〖錬金術〗〖アイテムBOX〗〖ミラクルマジックバッグ〗

所持品 マジックバッグ大 4 小 2


HP300ってのがどれくらいかは試さないと解らないな

0だと死ぬのか┅┅


『主には不老不死が与えられてますので最低HPは1で0にはなりませんよ』


「はぁ~勝手に不老不死とか付いてんのか?それってヤバクね?

ヒト族だぞ?歳を取らないのは何れバレるだろ!」


『その頃はステータスが見合う程になっているかと思います』


けっ!そうですか!分かりましたよ!

頑張りますから!フン!


これで決まったかな?

本当の異世界生活の始まりになるのか?アハハ!少しズルだけどねぇ~

金はたんまり有るしなぁ┅


明日から冒険者としてこの町に馴染んで行きますかね┅┅



《フフフ┅主はまだ自分の能力を知らないから呑気な者ですね

天賦の才を受けた者はアルジ的に言えばチートですから┅┅

それと容姿もチート?でしょうか?

ウフフ面白い事になるでしょう》


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