第22話

それから一時間程して、秘書室に居る私宛てに、川邊専務から内線電話が有った。



要件は、滝沢斗希がもう帰るそうだが、特に見送りはいらない、と。



だけど、私はそれに従わず、

秘書室から出てエレベーターの下降ボタンを押した。



滝沢斗希は、こちらへとゆっくりと歩いて来る。



「お疲れ様です」



そううやうやしく、この男に頭を下げた。



「また近いうちにこちらへと伺う事になります」



そう言って、滝沢斗希はちょうど停まったエレベーターへと乗り込んだ。



そのエレベーターの扉が閉まるその一瞬、

滝沢斗希と目が合う。



ふっ、と不敵に私に笑い掛けた。



それは、挑発的に。



その瞬間、滝沢斗希に対しての、私の中にある憎しみが沸き上がる。



この男にも、絶望を味あわせてやる。



川邊篤という駒を使って。

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LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~ 【完結】 マイマイ @maimaimaimaimaimai

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