第4話

「初めまして。

社長だけど、この会社では一年目なので、

皆さんには色々とご迷惑をお掛けするかもしれませんが」



就任初日、秘書室へとわざわざ足を運び、低姿勢でそう挨拶した、眞山綾知。



その彼の姿は、噂に聞いていたように端麗な容姿で、その親しみやすい雰囲気に、私は一目で惹かれた。



それから、私は三人居る眞山社長の秘書の一人として、

眞山社長とは仕事を通してすぐに親しくなり、

食事へと誘われた。


それは、ホテル内のレストランで、

その後、ホテルの部屋へと誘われた。



「結衣、俺と付き合って欲しい。

君が好きなんだ」



眞山社長はそう言って、私を抱いた。


それは、私にとって初めての経験だった。



セックスだけじゃなく、キスさえも。



初めて、男性に好きと言われたのも。



付き合うという事も、初めて。



その日、7月2日は、私の24歳の誕生日だった。



その一年後の25歳の誕生日に、

私は、眞山綾知に捨てられた。

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