第457話

涼の顔に、

雨が強く降り懸かっている



涼はそんな事を

気にする事なく、


話を続けた





「一度、家族三人で

ここに来た時、


目に入る物全てが凄く青くて綺麗だった。


またいつか見たいと

思ったけど、


見れる訳ないよな。


今の俺なんかが見ていい

景色じゃない。



前に此処に来た時は、

俺達の家族はもう終わっていたのかもしれない。


だけど、父親もそうだけど、

母親が別人なくらい

俺に優しくて…


幸せだなって。


この幸せは永遠に続くと

思った。


自分に家族が出来たら、

また此処に来ようって

ずっと思ってた。


叶うなら、お前と

此処でその景色を

見たいって…」




「涼…」



私は我慢が出来なくて、

声を出して泣いていた

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